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番外編「傲慢とはるか」
防衛軍本部。
古流斬は傲慢を連れて歩いていた。
「今日は紹介したい奴がいる。」
傲慢は静かに頷く。
「ほう。」
その時。
廊下の向こうから、はるかが歩いてきた。
「あ、古流斬!」
「……その人は?」
古流斬は苦笑する。
「傲慢。」
一瞬、空気が止まる。
はるかは警戒したまま頭を下げる。
「……初めまして。」
傲慢も静かに頭を下げた。
「初めまして。」
「昔は色々あった。」
「その件については反省している。」
「だから安心しろ。」
はるかは少しだけ表情を和らげた。
「古流斬に優しくしてください。」
「それだけ約束してください。」
傲慢は真っすぐ答える。
「ああ。」
「約束しよう。」
古流斬は苦笑する。
「もう仲良くしろよ。」
「昔のことは昔だ。」
傲慢は古流斬を見ながら、小さく笑った。
「……なるほど。」
「お前をここまで強くしたのは、お前自身ではないな。」
古流斬は首をかしげる。
「ん?」
傲慢ははるかを見る。
「この娘だ。」
「精神的な支えがあるから、お前はここまで折れずに強くなれた。」
古流斬は照れくさそうに笑う。
「いや。」
「俺を強くしたのは俺じゃない。」
「はるかだ。」
はるかは驚いて目を丸くする。
「えっ?」
古流斬は少し照れながら続けた。
「お前がいたから頑張れた。」
「一人だったら、とっくに心折れてた。」
はるかは顔を赤くし、小さく笑う。
「……ありがとう。」
傲慢はその様子を見て、静かに笑った。
「やはり強いな。」
古流斬は肩をすくめる。
「俺が?」
傲慢は首を横に振る。
「違う。」
「はるか、お前だ。」
「古流斬ほどの人間が、心から信頼し支えにしている。」
「それは力では測れない強さだ。」
はるかは照れ笑いを浮かべる。
「そんな大げさですよ。」
傲慢は静かに頷いた。
「いや。」
しらなみ
124
#鬱展開
Mist-404
1,765
#衝撃のラスト
山根利広
506
「古流斬が今の古流斬でいられる理由が、少し分かった。」
古流斬は照れ隠しに頭をかく。
「……そういう話、何か恥ずかしいな。」
すると傲慢は珍しく笑った。
「ふっ。」
「安心しろ。」
「今日は戦いより、お前の方が押されている。」
その一言に、はるかは笑い、古流斬は「勘弁してくれよ」と苦笑するのだった。
コメント
1件
読み終わりました。番外編ということで、本編とはまた違った空気感が新鮮でしたね。傲慢とはるかの初対面、緊張感がありつつも互いに敬意を払うやり取りが印象的です。特に「古流斬に優しくしてください」とはるかが求めたところ、傲慢が真っすぐ約束したところ、それぞれのキャラクターがよく出ていて沁みました。そして「古流斬を強くしたのははるかだ」という流れ——傲慢がはるかの強さを認めるシーンは、この三人の関係性がじんわり深まる良い場面でした。温かい読後感です。