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私鉄の駅の前を通った。
時計を見ると、午後8時ちょうど。
歩き始めてから、ちょうど1時間だ。
「やっと1駅なのだ。どうする、電車に乗るか?」
亜里砂さんは、少し疲れている模様。
汗をふきふき、という感じだ。
「うーん、やっと調子が出た感じなんだけれどな」
逆に、彩香さんは絶好調。
なら。
「とりあえず、次の駅までは線路と並行して歩くから、1駅だけ歩いてみるか。それなら、まだ電車はあると思うし」
「うーん。それくらいなら、まだまだ大丈夫なのだ」
「なら、行こっか」
今度は彩香さんが先頭で歩き出す。
道は一応歩道があるけれど、車も多い。
あまり歩いて楽しくない道だ。
しかも暗いし。
さらに、歩道が無いトンネルが出現。
狭くて、車がすぐ横を走っていて怖い。
「うーん、我ながら、しょうもない事をしているような気がするのだ」
と、亜里砂さん。
「とりあえず、隣の駅までは行きましょう。そうしないと、身動きが取れませんし」
そう言いつつ、怖いトンネルを早足で抜ける。
「これだと、足が鍛えられて太くなるのだ。ハモンセラーノ、後ろ足1本分の原木サイズになるのだ」
おいおい。
「まだ余裕ありそうですね」
「最後に牛丼を買って帰る程度はあるのだ」
ベジョータさん、まだまだ大丈夫そうだ。
そしてトンネルを過ぎて少し行ったあたりから、広い歩道が出来て歩きやすくなった。
周りも街っぽくなってきたし。
「大分、歩きやすくなったね」
彩香さんは、気分良さげに歩いている。
そんな感じで、30分ちょっとで次の駅に到着。
予定より、若干ペースは早い。
今のところは。
「さて、次の駅まで、当初予定のコースだと約2時間です。安全を期して線路沿いを歩くか、一気に最短を歩くか。最短ルートでも、2キロ程度歩けば、どこか駅には出ます」
「電車の時間は」
「まだまだ大丈夫です。予定通り歩ければ、1時間くらいは余裕があります」
「なら、予定通りで行くのだ。何故か、足が軽くなってきたのだ」
おいおい、ベジョータさん、大丈夫か。
「じゃあ、大丈夫だね」
「当然」
本当か、と思うけれど、口には出さない。
「なら、行きますか。JRの駅まで行ければ、運賃が大分安くなりますから。桜本町から行けますよね」
「ああ。みなとみたい線のみなとみたいが一番近いけれど、桜本町からも、歩いて6分程度なのだ」
という事で、仕方ないから僕は2人についていく。
なお、僕の方の足の調子は、全く問題無い。
確かに、調子が出てきたかな、という状態だ。
休みなく歩いているから、どこかで一度、休憩した方がいいかな。
それとも、歩けるうちに歩かせた方がいいのかな。
そんな事を思いつつ、歩き続ける。