テラーノベル
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深夜2時。
一人暮らしのはずの部屋で、私はドアの音を聞いた。
「カタン」
寝ぼけてるのかと思った。でも、はっきり聞こえた。
玄関のドアが、ゆっくり閉まる音。
鍵はちゃんとかけたはず。
確認しに行こうとして、体が止まる。
——今、誰か入ってきた?
息を潜める。
廊下の先、暗闇の中から、何かが動く気配がする。
「……ただいま」
小さな声がした。
でも、それは私の声だった。
心臓が跳ねる。
私はベッドの中で固まったまま、声を出せない。
足音が近づいてくる。
ゆっくり、ゆっくりと。
コン、コン、コン。
寝室のドアがノックされた。
「ねぇ、なんで開けてくれないの?」
——外にいる“私”が、そう言った。
私は震える手でスマホを掴む。
警察を呼ぼうとした、その瞬間。
画面に映った自分の顔が、にやりと笑った。
「やっと、見てくれた」
その直後、寝室のドアが——
内側から、開いた。
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