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『わかった。なら早速連絡してみるよ。今日でも構わない?』
『ええ……大丈夫……です』
何だかとんでもない事になってしまっている。
今日のお昼頃から今までの出来事が凄まじくて、瑠衣の頭の中と気持ちが付いていかない。
そんな彼女をよそに、凛華はソファーから立ち上がるとスマホを取り出し、執務机に向かいながら電話を掛けている。
『こんにちは、星野です。今夜なんだけど、お時間ある? …………ええ、今日からうちに来た新人娼婦の子なんだけど。彼女の名前は九條瑠衣。…………そうなのよ。年齢は二十歳くらいかな。明るめの茶色の髪に、顎くらいの長さのボブスタイルの女性で、唇の右側にホクロがあるの…………ええ、何せ初めてだから、怖がらせないようにしてもらって…………はい…………では十九時に隣の高級ホテルのロビーで。お部屋代などは後日請求して下さる? はい…………よろしくお願いします』
通話を終えた凛華がソファーへ戻り、瑠衣にメモを差し出した。
『今夜十九時、隣の老舗高級ホテルのロビーで待ち合わせに決まったから。彼の外見は、そうね。モデルのようにスラっと背が高くて、クールな雰囲気のイケメンよ。でも、優しく抱いてくれるみたいだから、素敵な時間を過ごしておいで?』
(素敵な時間……か。想像もつかないし……)
オーナーの言葉に、いまいちピンと来ない瑠衣は、ここまでセッティングしてくれたのだから、と礼を述べる。
『……はい。ありがとうございます』
瑠衣は座ったまま、凛華に会釈をした。
『ああそうだ。もう一つあったわ。これも娼婦として重要な事だった』
(え? まだあるの??)
今度は何を質問されるんだろう? と考えると、背筋に冷気が迸る。
女主人の言葉に、警戒心を見せると、凛華はニヤリと唇を歪めさせた。
『あんた、今ここで服を脱いでって言われたら、脱げる?』