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鷹槻れん

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鷹槻れん

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#恋愛
ばたっちゅ
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コメント
1件
うわぁ……読んでて胸が苦しくなったよ😢💔 お母さんとの温かい思い出が余計に、今の義姉と父親の仕打ちを辛くしてるね…。「黙って耐える方が早く終わる」って学んじゃうのが本当に切なくて、子どもの適応の仕方が悲しすぎるよ… でも2話目でここまで引き込まれるってことは、これからどうなっていくのかすごく気になる!応援してるよ涙乃さん📖✨
「邪魔よ!」
「痛っ」
突然、突き飛ばされてバランスを崩した。恐る恐る義姉の顔を見上げる。
「な~に? その顔は!あなた、まさか文句でもあるの?ほんっとにその顔を見ると虫唾が走るわ! さっさと私の視界から消えてちょうだい!」
「申し訳……ありません。」
「ほんっとに、トロいんだから。」
義姉の八つ当たりと癇癪はいつものこと、 ただ黙って耐えるしかない。
私は、10歳の時にこの家に引き取られた。それまで母と2人暮らし。決して裕福とはいえなかったけれど、優しい母と穏やかに過ごしていた。いつも忙しい合間をぬっては私との時間を作ってくれた。
気軽に新しいお洋服を買うことは出来ないので、ほつれてるところを修繕してくれたり、野菜の切り方を教えてくれたり、一人で生活するために必要なことを教えてくれた。
嫌なことがあった時は、一緒に歌を歌って明るい気分になれるように励ましてくれた。
今なら分かる。母は私の前では無理をしていたのだと思う。心配をかけまいと。
倒れるその瞬間まで……。
私もどこかで働きたかったけれど、子供のうちは遊ぶのが仕事だからと言われていた。それでも、働いて母を少しでも休ませてあげればよかった。
気づかなくてごめんなさい……。
母が亡くなりしばらくすると、知らない人が迎えに来た。その人が言うには、母は以前勤めていたお屋敷の主に見初められ、私を身籠ったと。
そのことが知れて奥様は激怒。母は、身重の体で屋敷を追い出されたのだそうだ。 そのお屋敷の主が私の父親だと。
母の訃報をどこから知ったのか、父が私を引き取りたいと言っているから一緒に来て欲しいと。
その時の幼い自分の行動を思い出すと後悔するばかり。どうして、なんのためらいもなくついて行ってしまったのか。 知らない人に付いていってはいけない、と言われていたのに。
その方に連れられて、このお屋敷に来たときはあまりの広さ、豪華さに驚いた。今までの家とは比べ物にならなかったから。
目を輝かせて興奮する私の心を打ち砕いたのは、初めて対面する父親の一言だった。
「お前は、ここで死ぬまで働くのだ。まずは躾が必要だな。」
部屋を出て行ってすぐに戻って来た父の手には、鞭が握られていた。
何をされるのか怖くて固まっていると、容赦なく鞭で叩かれた。
「痛い!やめて!やめてください!いやいやー!」
咄嗟に逃げようとするも、父に殴られて床にうつ伏せで倒れこんだ。背中に馬乗りになられ何度も何度も何度も執拗に殴られた。
その仕打ちがどれくらい続いたのかは分からない。ぷつりと意識が途絶えたから。
意識がもどった時には、暗い部屋の床に寝かされていた。
体中が刺すように痛い。殴られた所は腫れ上がり、鞭で打たれた所も水膨れができ、服も破れていた。痛みから起き上がることもできなかった。
いったい、なぜこんな仕打ちを受けるのだろう?
混乱してる私の元へ、義姉と名乗る女性が訪れた。
「汚いっ。こんな地下なんて来たくないのに。あなたね。あの女の娘というのは」
金髪の輝く髪に染みひとつない綺麗な肌。吊り上がった目で、私を見下ろす義姉。きつい印象の女性だった
「ふふっ。いい気味。あなたにお似合いね。いいこと?これからは私の言うことは何でも聞いてもらうわ。分かるわね?あなたなんか生きる価値もないのだから。お父様をたぶらかした下品なあの女そっくり」
ヅカヅカと寝ている私の側に近づいてきてしゃがみ込んだ。
おもむろに手を振り上げたかと思うと、勢いよくその手を振り下ろした。
頬を叩かれたのだと認識するまもなく、何度も何度も繰り返される。
室内には、バン!バン!バン!と、乾いた音が響き渡る。
経験したことのない痛み。
どうして、こんな仕打ちを受けているのか分からない。
恐怖と混乱。
「やめて……やめて……おねがい……」
消え入りそうな声を遮るように、義姉は嘲笑いながら罵声を浴びせてくる。
「うるさいわね! いいこと? 声を上げるなんて生意気なのよ!躾が足りないのね」
ヒュッと何かが空気を切る音がしたかと思うと、身体に激痛が走った。
鞭だと気づいて、両腕で咄嗟に顔を庇ったものの、防げるはずもなく、腕に焼けつくような痛みが襲いかかる。
成す術もなく、ただ悲鳴をあげることしかできなかった……。
「いやぁ!」
「あなたバカなの?声を上げるなと言ったのよ!耳障りなのよ!」
「うっ!」
痛みと恐怖で、歯をくいしばり、ただひたすら黙ってこの地獄のような時が終わるのを待った。
「今日はこのくらいかしら。分かったわね!」
カツッ、カツッ、カツッと靴音が遠ざかる。 義姉が行ったようだ。
痛みからか恐怖からなのか、ガタガタと全身が震えている。恐る恐る両腕を顔から外した。激痛を通り越して感覚が麻痺している。
それから、声を上げると余計に酷くなること、
ただ黙って耐える方が、暴力を振るわれる時間が短いこと、
逃げようとすれば余計に酷く鞭で打たれ、食事も抜かれることを、身を持って学んだ。