テラーノベル
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↓本編スタートです。
俺のあいつへの恋心が叶うことがないだなんて、そんなの分かりきっていた。
だって初恋は叶わないものだっていうし、それ以前に俺とあいつは男同士で、家族と同じくらい大切なメンバーだから。
頭では分かっているのに、あいつの顔を見るたびに、あいつが気まぐれに俺のことを「かわいい」と言うたびに、俺の心臓は馬鹿みたいに速くなる。
こんな不毛な恋にいつか終わりはくるのだろうか。
誰か別の人を好きになって、あいつへの恋心にさよならができる日がくるのだろうか。
そんな思いを抱えながら俺は今日もあいつへの恋心に蓋をして、あいつの前では何事もないかのように振舞うのだ。
勇「仁人が金髪にしてから、かわいく見えちゃって」
また、こいつはこんなことを言う。
舜「ほんまに言ってる?」
勇「メンバーに可愛いって思うこととかないの?太智のこの表情かわいいなぁとか。俺、結構あるのよ」
知ってるよ。お前は誰よりも俺たちのことを大切に思っているし、そこには恋愛感情とかはなくて、ただ単に小さい子を愛でているような、小動物を愛でているような気持ちで俺に対しても「かわいい」と言っていることも。
勇「真に受けてんの?笑」
真に受けたくもなるよ、そりゃ。だって俺はずっとお前が好きなんだから。好きな人には「かわいい」って言われたいでしょ。もちろん恋愛感情を含めた意味でさ。だけど、こいつに関してはそんな感情が一切ないのは分かりきっているから、今日も俺はお前に悪態をつく。
仁『いや、そうじゃなくて。俺のこと下に見てんだなぁって思ってた。笑』
お前がメンバーを下に見てないことぐらい知ってるけどね。
勇「下に思ったことなんて一度もないよ。笑」
仁『なんで今しらこい言い方したんだよ。笑』
太「じゃあ、仲直りのハグでもしとく?笑」
勇「ハグじゃ、や~だぁ~笑」
太「髪、ぐしゅぐしゅやっとく?笑」
そのあとのやり取りは聞こえているようで聞こえていなかった。
あいつがふざけて言う「かわいい」「ハグじゃやだ」そんな一言ひとことに反応してしまう自分が嫌で嫌でしょうがない。
俺だってこいつのことを「かっこいい」と思っているのに、「ハグじゃやだ」って思っているのに、そんなことをこいつみたいに冗談のように伝えることすらできなくて。
ただ嫌そうな顔をしてやり過ごすことしかできない。世間は【さの→じん】って認識なんだろうけど、実際は【さの】からの矢印なんてなくて、ただただ俺の気持ちだけが一方通行なのだ。
ため息がでそうになるのを堪えてチラッと隣を見ると、柔太郎が何か言いたげな目でこちらを見ていた。
仁『…なに?』
撮影しているカメラやマイクに声が入らないようにしながら聞いてみる。
柔「いや?別に何もなくはないけど、とりあえず今はいいや。仁ちゃん、顔、気をつけなね。一応動画撮ってるからさ。笑」
仁『なによ、その言い方。絶対何かあるじゃん…、気になるやつやん…。』
と、ジト目で睨みながら小言を言うと、ふっと笑いながら
柔「だから、か~お笑。ま、いずれ言うわ。ご飯食べよー。」
人をモヤモヤさせておきながらご飯を食べだしたこいつ。「食べないの?」って顔でこっち見んなや。ただでさえ自分の気持ちに嫌気がさしていたところに、お前がさらにモヤモヤを追加してきたからご飯食べる気がなくなったっつーのによ。某番組だったらモヤっとボール投げつけてるところだわ。
柔太郎は俺には結構あたりが強い時もあるけど、基本的には優しすぎる奴だから、それ故に人の考えや感情を読むことに長けている。
もしかしたら、俺のあいつへの気持ちに気付いているところがあるのかもしれない。
柔「…俺にしたらいいのに。」
仁『ん?何か言った?』
柔「…んーん。何も。仁ちゃん、早く食べないと太ちゃんが全部食べちゃうよ。笑」
太「吉田さーん!これ食べへんの⁉」
仁『ちょっ!食べないとは言ってないじゃん!ちょっと太智!俺にもちょうだいよ!』
舜「仁ちゃん、俺のあげよか~?笑」
太「えっ!舜ちゃん、食べへんのやったら俺にちょうだい!」
勇「ちょっ笑。太智、食べすぎ!」
仁『舜太!絶対太智にはやるな!』
スタッフさんの笑い声が聞こえる。
柔「…元気ないと心配になるから、笑っててよ。」
そう呟いたこいつの声は俺と太智の声に消されて、誰の耳にも届くことはなかった。
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