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放課後。

屋上で一人ぼーっとしているすまない先生の目の前に一人の男が降り立つ。

「お久しぶりです。すまない先生?」

「……確か……ナイトメアだっけ……?」

すまない先生は警戒を解かず、ナイトメアを見据える。真っ白な髪に真っ白な肌、とろりと溶けるような深く鮮やかな紫色の瞳。

「ええ、そうです。今回は貴方に真実をお話しに来ました」

「もう君の真実云々は信用ならないけどね」

「貴方がすまない一族で英雄の家系に生まれた故に英雄となったのは明らかな事実です。ですが貴方がヤマタノオロチの生贄になった理由はご存知ですか?」

ナイトメアはすうっと目を細める。

「僕が生贄になった理由……?それは……僕がすまない一族の英雄の息子だったからかランダムじゃないのかい?」

「確かに”貴方が”選ばれた理由はそのどちらかでしょう。ですがある事がなければ貴方が生贄になる事はありえない事だったのです」

あくまでも落ち着いた口調で明かされた衝撃の事実。生贄になったのは仕方ない事だ、とずっと信じ続けていたのにこの男はそれが根底からひっくり返されるような事を言って来たのだ。

「ど、どういう事だ!」

「お話ししましょう。本当の真実を」


____本来生贄になるはずだったのは一人の青年でした。その青年の名はレーヴ。なんの力も持たないそれこそランダムで選ばれたただの人間だったのです。しかし彼が生贄とならず貴方が生贄となってしまったのは、彼が蛇一族の女性と結婚してしまったからでした。結婚した女性の名はエイン。彼女は蛇一族であり強い意志を持つ女性でした。あるとき彼女はヘビの国を飛び出し人間の世界へと足を踏み入れました。その場でレーヴと出会い、恋に落ち、結婚してしまったのです。


「生憎、その二人はもう生きていませんがその二人の間に生まれたたった一人の子供だけは今も生きています。貴方が憎むべきはその子供ですよ」

心底楽しそうにそして面白いものを見つけたように笑うナイトメアにすまない先生は思わずドン引きの視線を向けてしまった。

「今すぐにはその子供を教える事は出来ませんが、そう遠く無いうちにその子供が誰でどこにいるかを知ることになるでしょう」

そう言い残しナイトメアはワープゲートを開き消えてしまった。

「なんだったんだ……?」


コツン……

「おや、来ましたか?」

ワープゲートから出ると研究所らしき所だった。その門のところには一人の人影が。

「貴方……昨日僕に何をしたの?」

「少しばかり幻術を。ですがそれは全て貴方の過去ですよ?」

「僕に過去はない。何をほざいているのだ」

人影____いや、少年はナイトメアの胸倉を掴んで睨み付ける。少年は緑色のマフラーたなびかせながら静かに言う。

「被験体などに興味はない。昨日僕に見せた幻術。それとその内容について詳しく教えろ。あれはなんだったのか。そしてお前は何者なのか。全て包み隠さず話すまで僕はお前を逃しはしない」

そう言うと少年は指輪を嵌めた。するとその少年の手から伸びた瘴気のようなものがナイトメアをガッチリ拘束する。

「あらいざらい吐いてもらうぞ?」

少年____風夜は赤い目を細めてそう告げた。

ミクル様の1000人記念コンテスト参加作品 すまないスクール襲撃事件と蛇の赤い糸

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