————雨宮くんの部屋から逃げ出した翌日、私はとにかく、雨宮くんにいつも通り振る舞い、二人きりになれるタイミングで謝ろうと心に決めていた。
だから翌朝、会社の入っているビルの前で出くわしてしまったという気まずい状況でも、何とか平常心で狼狽もせず、雨宮くんに対して微笑むことができた。
「雨宮くん、おはよう」
そう、平常心で。こうして会社の前で会うと、雨宮くんは私の歩幅に合わせ、歩くスピードを落とし、薄く微笑むはず。
「……おはよう」
あれ?何故か視線が合わない。
どころか、歩くペースも明らかに早いままで、どんどん置いていかれる。
「今日は朝から予定が入ってるから、先に行く」
「わ、分かった」
私は雨宮くんの背中を見送りながら呆然とした。こんなことは付き合い始めてから初めてだ。
雨宮くんは振り返りもせず、ビルに吸い込まれて行く。
驚きのあまり、会社の前で立ち尽くしていると*******
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