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第3話【お前のためだから】
ナチ、イタ王と暮らし始めて1年。
時は早く過ぎていった。
だけれど2人といれば恐いものなんてなかった。
だが突然訪れた。3人でいられなくなる出来事が。 その日は大雨だった。
朝起きるとイタ王がいなくなっていた。
驚いた。もしかしてまた誘拐、、、?
玄関の方からナチの声が聞こえた。
俺は焦って玄関へ向かった。
とにかく、不安しかなかった。
日帝「、、、ナチ、、、」
俺はナチを呼んだ。呼ばれて振り返ったナチの顔も俺と同じように不安でいっぱいだった。
ナチ「これ、、、見ろよ、、、」
いつもとは違う暗い声で言う。
俺はナチの言う『これ』を見た。
日帝「、、、え、、、?」
そこに置いてあったのは紙だった。
そこには一文書かれていた。
『探さないで』
イタ王の字だった。俺は不安が余計に増してきていてもたってもいられなくなった。
日帝「ナチ、、、イタ王探そう」
ナチ「え、、、?でも」
日帝「イタ王、、あいつ絶対何か隠してる」
ナチは俺の言葉に納得したのかすぐに言った。
「わかった。探そう」と。
探し始めてすぐだった。
イタ王は町から少し離れたところにいた。
イタ王「日、、帝、、?ナチ、、?」
日帝「イタ王、、、何のつもりだ、、?」
ナチ「、、、何でも話せよ」
イタ王は少し黙りこんでから静かに言った。
イタ王「僕の父さんは、、、病気だった」
ナチ、日帝「!!」
イタ王「急にこんなこと言われても困るよね。2人はもう知ってるし。でもね、、、」
イタ王は決心したようにして言った。
イタ王「、、、父さんの病気が悪化した」
涙ぐんだ声だった。
日帝「それ、、、何で言わないんだよ、、!」
イタ王「、、、」
日帝「なぁおい!俺達のこと信用してないのか!?」
俺が焦って聞くとイタ王の涙が溢れた。
イタ王「違うッッッ!!!」
イタ王が急に怒鳴った。
ナチ「イタ王、、、」
イタ王「大切な友達だよ、、、ナチも、、、日帝も、、、だけど心配駆けたくないんだッッッ!」
日帝「、、、!?」
イタ王「約束したよね、、?『この町でずっと一緒に3人で暮らす』って、、、それが、、無理なんだ、、」
ナチ「、、、!」
イタ王「ここまで言えばわかるだろ、、?僕はナチと日帝のこと、、裏切ることになる、、」
日帝「、、、、、、イタ王の馬鹿!!」
イタ王「ッッッ!?」
日帝「違うんだ。俺はそんなことで、、イタ王が裏切ったと感じたりしないッッッ!!」
ナチ「、、、日帝、、、」
日帝「俺とナチとイタ王は友達、、?、、、本当の友達はな、、!こういうときに仲間を優先するんだッッッ!!」
イタ王「、、、」
イタ王は涙を流した。苦しそうだった。
ああ、俺が生まれたばかりの頃と一緒だな。
俺もあのときは何で生まれたかわからなくて苦しかった。泣きたかった。
だが、涙が流れなかった。
ナチ「、、、イタ王行け」
暗い声でナチが言った。
イタ王「、、、え」
イタ王が顔を上げる。
ナチ「今お前にすべきことは俺達といることじゃない。自分の父親守ることだろ?」
イタ王「、、、!」
日帝「その代わり、、イタ王の父さん、守りきれなかったら怒るからな。、、、約束」
最後くらいは微笑んでやろうと思って俺は最後の力を振り絞って微笑んだ。
イタ王は声を上げて泣いていた。
イタ王「、、、ごめんなさい」
最後、イタ王は泣きながら、声にならないような声で言って走って行った
正直、イタ王と会えなくなるのはとても悲しい。だけどイタ王にはすべきことがある。
だからそれを最後まで貫いてほしい。
それが俺の今の気持ちだ、、、。