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第4話【最初で最後の友情】
イタ王がいなくなっても時は過ぎていった。
春から夏になってしまった。
そんな俺に再び悲劇が訪れる。
ナチ「ゲホゲホッッ!」
急のことだった。
ある日ナチが吐血した。
日帝「ナチ…!?」
ナチ「ゲホゲホゲホッッ」
日帝「大丈夫…か…?」
ナチ「あぁ…病気の…ゲホゲホッッ症状だッッ…」
それを聞いて俺はすぐにナチを病院に連れていった。
とにかく不安だった。心配だった。
ずっと一緒にいたかったから。
そして案の定俺の考えは正解してしまった。
ナチは病気が悪化していた。
俺の友達は余命宣告を受けた。
あと1ヶ月も無かった。
日帝「それ…嘘ですよね…?」
医者「いえ…嘘ではありません…」
日帝「…嫌だ…だってナチは…!」
医者「助けることができません。本当に……申し訳ございません」
医者は深く頭を下げた。
日帝「ッッ!そんなのッッ…!!!!」
ナチ「日帝…!」
ナチは俺の肩に手をおいた。
日帝「…!?」
ナチ「…もういいだろ?」
ナチは俺の考えがわかったようだった。
医者「…申し訳ございませんでしたッッ」
俺は涙をこらえた。
帰るとさっきまで夕方だった町が夜になっていた。 家に帰るとナチは一緒に寝てくれた。
ナチ「日帝…ごめんな…」
日帝「ナチにいなくなってほしくない…」
ナチ「俺は……もうじきいなくなる」
日帝「…!!」
ナチ「それだけは…変えられない」
日帝「………」
ナチ「だけど1つ言えることがある」
ナチ「俺はいつでも日帝の記憶の中にいる…」
日帝「……!」
ナチ「…だから大丈夫だ」
きっとナチも気づいていたはずだ。
その時涙をこらえるのに必死だった俺を。
そして絶望が拡大する。それはナチが余命宣告を受けた1週間後だった。
…次の日世界が終わる。
そう宣言されたのだ。
その頃にはナチも立てなくなり元気を無くしていった。
日帝「…はは。世の中が終わるときってこんな絶望感なんだな」
ナチ「ゲホゲホッッ」
またナチが吐血した。
ここ1週間でナチが吐血するのを何回見てきた?見たくなかった。 見たらナチがすぐにでも死んでしまいそうに思えた。
世界が終わる前日だった。
ナチ「もう俺…だめだな」
日帝「……」
ナチ「わかるだろ?俺にも終わりが来た…」
日帝「おい、嘘だろ…?」
絶望感と寂しさを感じてすぐに涙が溢れた。
抑えようとしても止まらない涙だった。
ああ。友達が死ぬって…こんな悲しいんだな。
ナチ「お前は…」
日帝「ナチ…?」
ナチ「実験体なんかじゃ…ない。俺達と同じ人間なんだ…」
日帝「…ナチ……?」
ナチ「だってお前は最初から…俺達を助けてくれたり…ゲホゲホッッ俺達のことを考えたりしてくれてるから…」
日帝「何言ってんだよ…ナチ…」
ナチ「それって…お前の気持ち…だろ?」
日帝「俺の…気持ち…?」
泣きながら言うので精一杯だった。
涙が止まらない。
抑えたいのに抑えられない。
衝動のようだった。
ナチ「今もこうして…ゲホゲホッッ……俺が死ぬってとき…泣いてるじゃないか……」
そうだ。俺には最初から、ナチやイタ王を思いやる気持ちが。悲しいときに泣くという感情があるんだ。
ああ。俺には…最初から…。
涙が余計溢れてきた。
ナチ「日帝と出会えて学んだ…仲間の大切さ…ゲホッッ自分に自信を持つこと…ゲホゲホッッありがとう…」
日帝「ナチ…?」
ナチ「……お前と出会えて…ゲホゲホ良かった…」
日帝「ナチ…!?」
もうナチは二度と目を開かなかった。
開けなかった。
日帝「ナチ…?おいナ、チ…?」
日帝「何でだよ俺…一緒にいるって約束したのに…何で俺の前からいなくなるんだッッ!何でッッ」
日帝「俺そんなの…嫌だ…」
俺は喉がはちきれそうなほど泣き叫んだ。
日帝「うわあああああッッッッ!!!!」
仲間を失うことは辛いこと。
当たり前のことだった。
そんなことを俺は知らなかった。
少し落ち着いた。
自分も世界も終わって全て楽になると思った。
ナチに会えると思った。
最初で最後の友情だった。
コメント
2件
ナチィ!!(ó﹏ò。)ウゥゥ俺のナチ(((殴 日帝君も大丈夫なのかな多分精神的に辛い気がする