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ROY

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みむら
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side 🩷
今日は気合いを入れなきゃいけない仕事があるから、ニンニク増量のペペロンチーノ(大盛/ちゃんとブレスケアはするよ!)をお昼ご飯に、と選んで会計待ち列に並んでいた。
今日の会計待ち列は一際長いな〜なんて思っていたら、後ろから小さな溜め息が聞こえてきた。
私何かしちゃったかも?と気になってほんの少しだけ後ろを見ると、気怠げな表情の目黒さん。
(めっっ目黒さん!?大盛りパスタ見られた…恥ずかしいぃ…凄い食べる女って絶対思われてる)
とかそんな事を考える以前に..
朝から至近距離の目黒さん。
しかも気怠げで色気爆発してるんですけど…!心臓がバクバクして全身が一気に熱くなる。
「ごめんなさい、突然話しかけて。溜め息が聞こえたから私何かしちゃったかなって思って…。初めまして、広報部の佐久間さく美です。」
あまりの緊張と興奮ですごい早口で自己紹介をしてしまった…。聞き取れたかな?
あ、大丈夫そう。良かった。
話をしているうちに、気怠げな表情が変化していって、キリッと格好良い目黒さんに戻った。ぅう…何か次はキラキラして見える…
しかもね、笑う時フニャって笑うの。
こんなの好きにならない訳ないじゃん。
(阿部ちゃんには憧れの好きか、恋愛の好きかちゃんと見極めるようにって言われたけど…)
心がときめいて、もっとこの人のことを知りたいって思うのは恋じゃなかったらなんなの?
話せただけで十分だと頭では分かっているのに、心がつい貪欲になってしまう。
それ以上欲張っちゃだめ。
でも、もうちょっとだけ、お話したいなぁ。
会社までの距離なら許される…よね?
昨日から目黒さんに沸いている女性社員の皆さんには悪いけど、話しかけた私の特権だもん。
「目黒さん、会社まで一緒に行きましょ」
コンビニの外でそう声を掛けたら、一瞬驚いたように目が大きくなって、笑顔を見せてくれた。
嫌じゃなさそう…?良かったぁ。
会社までの短い距離。
わざと少しゆっくり歩く。それに合わせてくれる。嬉しい。
目黒さんは、前職やカナダでの話をしてくれた。
ずっとこの時間が続いたら良いのになぁ…
あれ?日本にはいつまで居るんだろう?
少し勇気を出して、いつまで日本に居るのか聞いてみた。2〜3ヶ月だって、長いようであっという間の期間。
「そっかぁ…その間に仲良くなれたら嬉しいなぁ…」
目黒さんが2〜3ヶ月しか日本にいないって聞いて、なんだか無性に寂しくなってしまい、無意識に口から溢れてしまった。
……何言ってんの?私。
聞こえた?聞こえたよね。だって目黒さんの目まん丸になってるもん。
初対面の奴に言われても迷惑だってば。
目黒さんと仲良くなりたいのは皆も一緒でしょ!
何とか苦し紛れの弁解をした…けど
目黒さんの反応が無い。ジッと私のことを見たまま微動だにしない。
あんま見ないで欲しい、きっと顔真っ赤で茹でだこみたいになってる。
手汗もすごいことになってるし、心臓もバクバクして口から出そう。
何か他の話題を話さなきゃ…!
「佐久間さん…おれ」
「ふぇ」
やや間が空いて目黒さんの左手が私の右手に触れた。
待って!手汗が凄いから…汚しちゃう。
離れようとしても、強張って体が動かない。
その瞬間、私の手が大きな手に包み込まれてしまった。
「俺、ずっと」
ぎゅっと握る力が強くなる。
どこか真剣な表情の目黒さん。
頭では離れないといけないと分かっているのに、離れられない。
「目黒さん、さく美さん、おはようございます」
「ひょえ!!?」
目黒さんの後ろからラウールくんがひょこっと顔を出した。
おかげで強張っていた体をなんとか動かすことができた。
「朝から〜いちゃいちゃしないで貰えます〜?」
「いっ…いちゃいちゃしてないよ!?」
目黒さんの手から自分の手を引き抜く。
「え〜?手なんか繋いじゃって、どこからどうみてもいちゃいちゃしてるように見えましたよ?」
「っおい!ラウール…」
「ちょっと仕事で教えて欲しいことがあって〜」
ラウールくんはそう言って「目黒さん借りて行きますね」と連れて行ってしまった。
その場に取り残された私。
心臓はまだ煩く脈を打っている。
いきなり手を握られたのはビックリしたけど、気持ち悪いなんて全く感じなくて。
むしろ嬉しくて
もっと私に触れて欲しい
もっと目黒さんに触れたい
貪欲な気持ちがどんどん大きくなっていく。
目黒さんがどうしてあんな行動をとったのかは分からないけれど、これだけはハッキリした。
この気持ちは絶対憧れの好きなんかじゃない。
-–
side 🤍
「あのさ、自分が何してたか分かってる?昨日、渡辺部長からいきなり距離詰めるなって言われたじゃん!」
公衆の面前で何してんの!とめめを叱る。
会社に向かう道中、目の前にめめとさく美さんが肩を並べて歩いているのが見えた。
会話も弾んでいるようで、2人共楽しそうだ。
(めめ気持ち駄々漏れじゃん。だらしない顔しちゃって)
さく美さんは昨日の反応から、100%めめに一目惚れしている様子だし、めめは言わずもがな。
(昨日出ていくさく美さん見て舌ペロしてる時点で絶対そうなのよ)
誰が誰を好きになろうが勝手だし、お好きにどうぞって感じなんだけど…
おいおいおいおい!何で突然手握ってんの!?
話の内容は分からないけれど、さく美さん真っ赤な顔して固まっちゃってるじゃん!
ていうか目と鼻の先に会社があるんだぞ!?
めめの突然の行動に思わず2人に駆け寄って遮ってしまった。
そして、今に至る。
「いや…まじでそうだよな。佐久間さん甘くて美味しそうな匂いさせてるし、仕草がいちいち可愛いからただでさえ理性焼き切れそうなのに」
いやまぁ…さく美さん確かに良い匂いするけど。美味しそうって何よ。
「俺があと2〜3ヶ月しか日本にいないかもって言ったら”仲良くなれたら嬉しい”って小さい声で言ったんだよ。それ聞いたらさ、気持ちが爆発しちゃって」
もう告白しちゃおうかなって思った、
と耳を真っ赤にして顔を手で覆い隠しその場にしゃがみ込んだ。
ていうか、めめ、そんな速く話せるんだ。
「でもさぁ、めめってさく美さんと出会ったの昨日だよね?この短い時間でそこまでになるのヤバくない?」
しかも昨日話してないもんね?
そこまで気持ちが暴走する意味が分からないんだけど。
「……全然短くない。俺はずっと前から佐久間さんに恋してる」
「は?」
“ずっと”?
「…ずっとっていつ?」
待って、これ怖くなる展開じゃないよね?
失礼を承知で言うと、めめは顔をあげて「誰にもいうなよ?」とやけに真剣な表情でそう言った。