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第七章 生徒会からの呼び出し
朝のホームルームが終わると、一人の男子生徒が教室へ入ってきた。
黒髪に青い瞳。
生徒会の腕章をつけている。
「失礼します。」
教室中の視線が集まる。
担任のセシリアが軽く頷いた。
「どうしましたか?」
「生徒会より伝達です。」
男子生徒は教室を見渡し、一人の少女の前で足を止めた。
「ツララ・ルミアーナさん。」
「……はい?」
「生徒会長がお呼びです。」
教室が一気にざわつく。
「えっ!?」
「生徒会長!?」
「ルーク殿下が!?」
ツララ自身も驚いていた。
「わ、私ですか?」
「はい。」
「今、お時間よろしいでしょうか。」
「は、はい……。」
「お嬢様。」
ねねが静かに立ち上がる。
「私も同行いたします。」
「もちろんです。」
生徒会の男子生徒は自然に頷いた。
ツララは少し安心したように笑う。
「ありがとう、ねね。」
「当然です。」
学院本館。
最上階。
大きな扉には金色の文字で書かれていた。
生徒会室
ツララは小さく深呼吸する。
「失礼します。」
扉が開く。
広々とした部屋。
壁一面には本棚。
中央には長い会議用の机。
窓からは学院全体が見渡せる。
そこには六人の生徒がいた。
ルーク。
ノア。
エミリア。
レオンハルト。
ミリア。
ソフィア。
全員の視線がツララへ向く。
「ようこそ。」
ルークが優しく微笑んだ。
「急に呼び出してしまい、申し訳ありません。」
「い、いえ!」
ツララは慌てて首を振る。
「今日は昨日の魔力測定について、お話を伺いたいと思いました。」
ルークは穏やかな口調で続ける。
「安心してください。」
「責めるためではありません。」
「……はい。」
ツララは椅子へ座る。
その隣にはねねが静かに立っていた。
レオンハルトがねねを見る。
(……隙がない。)
立っているだけなのに、一切の無駄がない。
武人としての本能が告げていた。
(この人……。)
(強い。)
「一つ、お聞きします。」
ルークはツララを見る。
「魔力測定の時、体調に異変はありませんでしたか?」
ツララは少し考える。
「……いいえ。」
「いつも通りでした。」
「魔法を使う時、何か特別なことは?」
「特別……?」
ツララは首を傾げた。
「普通に魔法を使っただけです。」
その表情に嘘はない。
ルークは静かに頷いた。
「分かりました。」
(本人も理由を知らない……。)
そんな気がした。
その時だった。
コンコン。
扉をノックする音。
「失礼します!」
学院の教師が慌てた様子で飛び込んできた。
「会長!」
「訓練場で事故です!」
ルークが立ち上がる。
「何がありました。」
「魔獣です!」
「結界の外から魔獣が一体侵入しました!」
「生徒が取り残されています!」
部屋の空気が一変する。
「レオン!」
「はい!」
「ノアは教師へ連絡!」
「エミリア、避難誘導!」
「ミリア、ソフィアは負傷者の確認!」
「了解!」
全員が一斉に動き出す。
ルークも剣を手に取る。
ツララは思わず立ち上がった。
「私も行きます!」
ルークは優しく首を横に振る。
「ありがとう。」
「ですが、君はまだ新入生です。」
「ここで待っていてください。」
そう言い残し、ルークたちは走り去った。
静まり返った生徒会室。
ツララは胸に手を当てる。
(怪我をする人がいませんように……。)
ねねは窓の外を見つめていた。
その瞳は鋭い。
(魔獣が学院へ……。)
(偶然でしょうか。)
誰にも聞こえないほど小さく、ねねは呟く。
「……何かがおかしい。」
学院の平穏を揺るがす出来事は、まだ始まったばかりだった――。
第一巻 第七章 完
📖 次回予告 第八章「黒き牙」
訓練場に現れた魔獣は、本来なら学院の結界を突破できるはずのない存在だった。
ルーク率いる生徒会が迎え撃つ中、ツララは「待っていて」と言われたにもかかわらず、自分にできることを考え始める。
そして物陰からその戦いを見つめる、謎の黒いローブの人物――。
物語はここで初めて、「魔族」の影が静かに姿を現す。
コメント
1件
あ〜もう読んだ読んだ!!第七章めっちゃ良かった😭💕 生徒会メンバーみんなかっこよくて特にルーク様の「責めるためではありません」の優しさに悶えた…!✨でも訓練場の魔獣襲来で空気一変するところ、一気に引き込まれたよ!! ねねが「何かがおかしい」って呟くところも含めて、次への期待しかない…!!次回も楽しみにしてるね⋆♡