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せっかく転生できたのに……
陛下といっしょに死ねるなら悔いはない。実際前世ではそうなった。今回は転生魔法をかけてもらっていない。死ねばそれっきり。
悔いはないと自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、どうせ死ぬなら死ぬ前に一度は陛下の夜伽の相手を務めたかったという思いが胸に込み上げる。
山鹿雄大邸に突入した陛下はわたくしのそんな思いを知らずに、長い廊下を疾走する。速い! ついていくのがやっとだ。
自身に防御魔法をかけたと言っていたが嘘じゃないか。戦闘力が半減しているようには見えない。とはいえその方がわたくしにとっては好都合だ。敵は大勢でしかも強力だ。陛下には全力で戦っていただきたい。陛下と結ばれる前にむざむざ殺されるなんて、死んでも死にきれない!
長い廊下の向こうにある扉の前で、一人の黒服が警備している。ということはその部屋に極星会の山鹿雄大会長がいるのだろう。
陛下は黒服を瞬殺し、ためらいなくドアを蹴破って部屋に突入した。用心棒が十人くらいいるのだろうか? そう思いながら続いて部屋に入って呆気に取られた。