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第一章 家族の絆

エピソード2

それから、父が起きてきて母は、父に今日の出来事を説明した。

「確かに、お腹の子は心音が弱いと医者は言っていたが、そんな事ってあるのかい?」と父は聞く。

「あの子は、自分が死ぬ前に家族に会いに来た。そうに違いないわ。。」と母はいう。

ぼくは、両親がそう話してるのを聞いて何かお姉ちゃんにしてあげる事は無いのか5才ながらにして考えたのを今でも憶えている。

あれからというもの、ぼくは、毎日何時間も公園のベンチに座りお姉ちゃんを待つが、お姉ちゃんは公園に姿を現す事は一度もなかった。

それから、数ヶ月。。

母は、出産の準備のため近所の産婦人科に入院する事になる。

ぼくは、それから毎日のように母に会いにいく。

「まだかなぁ。妹出てこないかなぁ」

「ぼくもお兄ちゃんになるのだから、いつまでもお母さんに甘えてたら行けないよ。妹のために強くならないとね。」と母はいった。

それから何日かして妹が生まれた。

ぼくが、あとから知ったのは妹は、生まれながらにして心肺が弱いことを知る。

運動も制限され、自宅の赤ちゃん用ベッドですやすやと眠る妹を見て、ぼくは決心する。

「……お兄ちゃんが守るからね。」

それを聞いた母は

「もうお兄ちゃんだね。」

父は

「ぼくは偉いね。立派なお兄ちゃんだ。」

「赤ちゃんの名前、発表します!」

と父は嬉しそうにいう。

「……未来(みらい)。どんな未来も乗り越えられるように。自分の運命を切り開いて行けるように。」

ぼくは、目をきらきらさせながら

「未来。お兄ちゃんがどんな時でも守るよ。」

それは1997年の冬の風が強い日だった。

つづく

未来がくれたもの

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