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第十五話:小悪魔の照れ隠しと、放課後デート?
「ちょっと何抱き合ってんのさー!?」
部室に響き渡った朱音の金切り声。
白銀美咲は真っ赤な顔で慌てて俺の胸元から飛び退き、眼鏡を掛け直してそっぽを向いた。
「ち、違うわよ朱音! 試薬の経過観察をしていただけよ!」
「嘘だぁ! 美咲、完全に乙女の顔になってんじゃん!」
朱音はぷくーっと頬を膨らませて俺の前に立ちはだかると、胸元のポケットから試薬の入った試験管を奪い取った。
「ずるいずるい! 次は私の番! タカシ、今すぐ私とも『10分間』やってよね!」
「おい朱音、ここで飲む気か!?」
俺の制止も聞かず、朱音は一気に薬を煽り飲み干した。
直後、彼女の身体を淡い光が包み込む。背中の大きな翼が収まり、凶悪なツノが消え、サキュバス特有の甘い魔力が綺麗に打ち消された。
「ふーんだ! どうだ美咲、これで私もただの——」
そこまで言ったところで、朱音の言葉がピタリと止まった。
魔力が消えた途端、素の「純粋な初恋の感情」が全身を駆け巡る。朱音の顔は見る見るうちに熟したトマトのように真っ赤になり、つぶらな瞳が潤み始めた。
「……あ……あれ……?」
「朱音ちゃん? いつもの威勢はどうしたの?」
白銀さんが意地悪く微笑む。
朱音は俺の顔を直視できず、もじもじと爪先をすり合わせながら、俺の制服の袖をちょんと引っ張った。
「……た、タカシ……」
「ん? どうした?」
「その……部室の中だと美咲が見てるから……外、行こ……? 10分間だけでいいから、二人で……夕暮れの校庭、歩きたい……」
サキュバスの時は強気で肉食系だった朱音の、あまりにも可愛らしい照れ隠しとお願い。
「……分かった。行こうか」
「ほんと……!? うん……っ!」
パッと顔を輝かせた朱音の手が、恐る恐る俺の手へと重なる。
魅了の力など一切ない、少し小さくて温かい女の子の手だった。
「ちょっと二人とも!? 勝手にデートに行かないで!」
白銀さんの抗議の声を背に受けながら、俺と朱音の甘酸っぱすぎる「10分間限定の初恋デート」がスタートしたのだった。
コメント
1件
第15話読み終えたよ〜!!😭💕💕 朱音のあのツンデレからの急激なデレがやばすぎる!!!サキュバス状態の時は強気だったのに、魔力消えたら一気に純粋な初恋乙女モードになっちゃって、しかも夕暮れの校庭デートおねだり…!?!?萌え死ぬかと思った、、、😇💘 白銀さんの「勝手にデートに行かないで!」って叫びも含めて、もう恋愛バトルが加熱してきてて続きが気になって仕方ないよ!次はどうなるの!?急いで読みたい!!😤✨
488
#ギャグ
梨本和広
6,467
桜咲かな
299
#学園