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第三章 はぐれ者編
第十三話「受け継がれる想い」
廃工場。
ラントとゴッド、デッドの戦いは続いていた。
神速の斬撃が戦場を駆ける。
「はぁぁっ!」
ラントの一閃がゴッドを吹き飛ばす。
続けてデッドへ斬りかかる。
「ぐっ……!」
二人は押され続けていた。
だが、ラントの心には先ほどまでの迷いはなかった。
⸻
戦いながら、ラントは黒のユーマのことを思い出す。
「……ユーマ。」
まだ十四歳。
父親を幼い頃に失った少年。
それなのに。
一度も恨み言を口にしなかった。
「父さんは英雄だった。」
そう言って笑っていた。
ラントは胸が締め付けられる。
(俺たちが……。)
(古流斬を何度も無茶させた。)
(あいつは最後まで戦い続けた。)
(その結果、寿命を削り……命を落とした。)
ユーマは、その事実を知っている。
それでも。
防衛軍を恨まない。
自分たちを責めない。
「……だからこそ。」
「余計に申し訳ない。」
ラントは小さく目を閉じる。
「この話は……。」
「戦いが終わってから考えよう。」
静かに息を吐く。
その瞬間。
迷いが完全に消えた。
「行くぞ!」
ワープ。
神速。
一瞬でゴッドの懐へ潜り込む。
「速い!」
ゴッドが反応した時には遅かった。
ズバァッ!!
強烈な斬撃がゴッドを吹き飛ばす。
続けてデッド。
「終わりだ。」
二人まとめて壁へ叩きつけられる。
完全にラントが圧倒していた。
ゴッドは血を吐きながら笑う。
「……さすがだ。」
「だから、これだけはやっておく。」
ゴッドは懐から一枚の札を取り出した。
「これは……。」
「ボスから仕込まれた封印術だ。」
ラントが目を見開く。
「封印術……!」
札が光を放つ。
ガァァン!!
無数の鎖がラントを包み込んだ。
「くっ!」
古流斬
2,542
87
チタコロ
323
神速もワープも封じられる。
ゴッドは苦しそうに笑う。
「安心しろ。」
「永久じゃない。」
「二時間もすれば封印は解ける。」
「だが、その二時間で十分だ。」
デッドは立ち上がる。
「目的は時間稼ぎ。」
「俺たちの勝ちじゃない。」
「虚飾様のために、お前を離脱させることだ。」
二人はそのまま後退する。
ラントは鎖を振りほどこうとするが、封印はびくともしない。
「しまった……!」
ゴッドは最後に振り返る。
「二時間後、お前は自由になる。」
「だが、その頃には戦況は変わっている。」
二人の姿は闇の中へ消えていった。
ラントは悔しそうに拳を握る。
「ユーマ……。」
「みんな……無事でいてくれ。」
一方、虚飾は遠くからその様子を見て静かに笑う。
「予定通りだ。」
「最強の隊長は、これで二時間動けない。」
戦場は、新たな局面へと動き始める。
――第十四話へ続く
コメント
1件
第60話読み終えたよ〜!😭✨ ラントの迷いが完全に消えた瞬間、マジでかっこよすぎた…!黒のユーマくんの「父さんは英雄だった」っていう台詞が胸に刺さって、ラントの「だからこそ余計に申し訳ない」って感情がすごく伝わってきたよ。でもまさか封印術で動けなくなるとは…!ゴッドとデッドの時間稼ぎ作戦、めっちゃ嫌な感じだけど、逆にこの先どうなるか気になりすぎる🔥 みんな無事でいてくれ〜!!