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歌葉「ん……ここは……」
どうやら洞窟みたい見たことがない風景だった。
確か逃げてる途中でおじさんと会って、中に入ろうとしたら後ろから何かで殴られてそれで今の状況な訳ね。
両手は後ろで両足も縄で縛られていて私を逃がす気はさらさらないとわかる。
おじさん「おや、目が覚めたのかい…お嬢さん」
歌葉「あなた……ソイツらとグルだったなんて…千嘉に何かしたら許さないから!」
おじさん「千嘉ちゃんが特別な流れ星を探してると知って近づいたからね…そしたらまんまと信じてキミを私に預けようとした」
歌葉「何が目的なの?」
おじさん「私たちはね…君の力を狙っている盗賊なんだ…何年も代を変えて探してきた…そして私の代で1000年目、ついに特別な流れ星を見つけた」
それが私だってことね。
おじさん「けどね…観測部隊流星が護衛してるのを知って簡単には手に入れられないと知った」
歌葉「諦めが悪いといつか星から罰が落ちるわよ…星は嘘をつかない、いつも私たちを見てるから」
おじさん「さて…キミを拐ったには理由があるんだ…キミの誕生日に何か違和感はないかな?」
違和感って……
歌葉「少し前から…誕生日の日に体が熱を持つような感じになることはあるけど…それと何か関係あるの?」
おじさん「それはね…力が目覚めようとしてるんだよ」
歌葉「力?変な言い掛かりなら止めてくれる?確証もないし悪党なんかの言葉信じられないから!」
おじさん「信用されないのもわかるよ…もうこの話も知ってる人が限られてるからね」
限られてる?
おじさん「知らないなら教えてやろう…お前さんたち星波家には代々華を咲かせる娘が存在すると言われている」
歌葉「華?」
おじさん「そう、星波の華と言ってね…願いを叶えてくれる華なんだ…しかし中々力が目覚めるものがいなくてね諦めていたところキミが現れた」
歌葉「私にその華を咲かさせたいわけね」
おじさん「察しがいいね、そしてその華は今この洞窟の奥に蕾のままお前さんの到着を待っているさ…」
歌葉「私はあなたたちの思い通りにはならない!どんな願いを叶えたいか知らないけど…あんたたちみたいな悪質なやつらの願いなんてこっちから願い下げよ!」
おじさん「そう言ってられるのも今のうちさ…連れてこい」
そう後ろに声をかけ連れてこられたのは千嘉と私たちをつけてきていた男の人たち。
歌葉「千嘉どうやってここに…」
千嘉「それはーーこの髪飾りが場所を教えてくれたの!」
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千嘉「やっぱりただの髪飾りだもん…居場所を示すなんて……」
観測部隊流星の研究所で髪飾りを使って歌葉の居場所を探そうとしていた。
男「待ってください…よく見てください」
千嘉「あれ……光が矢印の形になって……まさかこの先に?」
男「行ってみましょう!」
千嘉「歌葉に届いたんだ!多分、助けを待ってる!」
男「我々が盗賊たちを押さえますので天空さんは流れ星が産み落とした命の救出最優先でお願いします」
千嘉「はい!」
絶対助けるんだ。
歌葉……無事でいてねーー
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千嘉「って感じで入り口で様子を伺ってたら捕まっちゃって……でも怪我してないならよかった!」
歌葉「連れてこられるときに頭を強く殴られたけどね」
千嘉「さっきこの人たち…観測部隊流星の人たちに首謀者の名前聞いてびっくりした…おじさんが犯人だったんだ…」
おじさん「失望したかい?」
千嘉「正直言うと何か隠してるとは思ったよ?私が自分を隠して生きてたから…だから聞かないでおいたけど…まさか隠してることがこれだったなんて…びっくりです」
おじさん「この人は警戒心が強くて千嘉ちゃんの言うことしか聞かないみたいだしね…プラネタリウム館に来たときに千嘉ちゃんの名前が出て驚いたよ」
男「今すぐ彼女を解放して悪巧みを止めるんだ!お前たちの願いを叶えれば彼女は消えるんだぞ!わかっているのか!彼女が消えたらこの世界がどうなるかわからないのだぞ!」
おじさん「そんなことわかっている!この世界は……狂っている!だから…だから!この私が世界を変える!」
歌葉「狂っている?どういう意味?」
おじさん「そう気づいたのは私が中学を卒業した直後だった」
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中学校の卒業式で私の親は共働きで来れなかったんだ。
しかし終わった直後学校に連絡があった。
2人が仕事の事故で病院に運ばれたとーー
私はもう進学が決まっていたけどそれを諦めて仕事を探し夜勤までして金を貯めた。
そして2人の治療費として使った。
順調に回復したときに私は絶望に落ちることになったのだ。
その後に分かったことだが…両親の勤めてた会社は莫大な借金があって両親は耐えられなくなり自ら大きな事故を起こし、自殺を図っていたのではと判明した。
私が進学を諦め働いた金はーー
“借金返済”の金だったんだ。
あぁ……そうなのかーー
ようやくわかったーー
この世界はーー
私の生きてる今の世界はーー
“狂っているんだ!!!”