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今回ですね、前回公開させていただいたお話のコメント欄にて、素晴らしいネタをくださった方がおりまして。私はその方のことをこれから神様と認識させていただきたいと思うのですけれども、今回のお話は、その方がくれたネタで書きたいと思います。ありがとう神様。

今回のお話は、私の華太くんの特性改造部分がございますので無理だよって人は黙って戻りましょう。

華太くん、酒めっちゃ強ければいいなぁ…

それではどぞ!

(最近永瀬の兄貴絡ませること多いなぁ…ごめんね)



発端は南雲の発言だった。(華太外出中)

南雲「どうしても…華太に“お兄ちゃん”って呼んで欲しい…!」

それを聞いていた組員の脳内に稲妻が走る。ピシャーンと効果音が聞こえるほどに。

須永「ナイスアイデアなんだけど……めっちゃ言わせたい…」

香月「絶対かわいいじゃんそんなの…無理…尊…」

青山「でも問題は…」

矢部「どうやって“お兄ちゃん”って言わせるか、だな」

小峠は良くも悪くも馬鹿真面目なのである。仕事中であろうがプライベートであろうがその真面目さが崩れることはなく、ましてや兄貴分を愛称で呼ぶなど以ての外。頼み込んだところで流石にそれは…と渋られて終わってしまうのは目に見えている。

小林「じゃあ酒で酔わせるとか?」

野田「そりゃ無理だな。あいつザル超えてワクな野田」

(ザル:めっちゃお酒飲む人。酔わない。)

(ワク:ザルを超越するレベルの大酒飲み。酔わない。)

工藤「この前日本酒3本1人で開けてたぞ。しかも顔色全然変わってなかったな」

冨樫「その後ワイン2本空にしてたぞ!!飲みすぎはよくないっつってストップさせたが、あのままだと酒の在庫全部消えてたな!」

北岡「(化け物かな?)」

速水「(でも可愛いというバグ)」

工藤と冨樫が語る小峠の酒話に、ほかの兄貴分も流石に驚きが隠せないようである。舎弟陣は空いた口が塞がっていない。

永瀬「酒強ぇのは知ってたが…流石に化け物だな」

和中「ならば酒は無理だな。他の方法でなければ」

飯豊「喉から手が出るほどに欲しいもので釣る…とかですかね?」

小林「物で釣る、ねぇ…ま、いいんじゃねーの?」

永瀬「それで試してみっか」

自然的に判断能力を失わせるのが無理ならば、必然的に判断能力を奪えばいいだけの話。

好きなもん買ってやる対価がお兄ちゃんって呼ぶだけだぞ?簡単だろ?



永瀬「華太ちゃーん?ちょっと来て?」

小峠「はい」

先陣を切ったのは永瀬だ。事務作業をしていた華太を休憩室に呼び出した。外には他の組員が待機している。

小峠「何でしょう?」

そして永瀬は小峠の肩に手を回して、自らの方に引き寄せる。

永瀬「今死ぬほど欲しいモンとかある?」

小峠「…欲しいもの、ですか?」

永瀬「そーそー。なんでもいいぜ?」

急になんなんだと小峠は永瀬に対して少々の警戒心を抱き始めた。

小峠「欲しいもの…………んん…」

それでも兄貴分の質問に対しては真剣に答えようと頭を捻っている小峠を見て、永瀬はついつい笑みが溢れる。

永瀬「(かぁいいなぁ)」

小峠「特にはないですかね…皆さんが元気でいてくれれば俺は満足です。それ以上に嬉しいことなんてありません」

永瀬「ふぇ」

永瀬は小峠が組や自分たちのことをそこまで思ってくれていると分かり、思考が停止する。

永瀬「華太ぉ……もっかい言ってくんねぇ…?」

小峠「いや、ですから欲しいものはありません!皆さんが元気でいてくれれば俺は大満足ですし、それ以上に嬉しいことなんてありませんって言ったんです!2回も言わせないでくださいよ!」

永瀬「///………(録音完了。永久保存っと)」

永瀬は額に手を当てて、空を仰ぐ。顔にはいつもガスバーナー片手に暴れているとは思えないほどの笑みが浮かんでいた。

だが欲しいものが無いとは想定外。

仕方なしに永瀬は最終手段に出る。成功確率は極めて低いが、ここはもう馬鹿正直に頼み込むしかないと踏んだ。

永瀬「華太、少し頼みがある」

小峠「頼みですか?」

そう言って永瀬は小峠の肩を両手で掴む。

永瀬「1回でいい。……お兄ちゃんって呼んでみ?あ、名前でな?」

小峠「………はい?」

依然、小峠の脳内は宇宙猫状態である。

だが、予想外の出来事が起こった。

小峠「まぁ……そんくらいならいいですけど…」

永瀬「まじ?」

少々怪訝な顔をしながらも一応承諾してくれたのだ。これには永瀬も歓喜の声を上げる。そして今1度自分のスマホの録音機能をONにした。


小峠「ん………光一お兄ちゃん…………?」

小峠は永瀬の右手を両手で握って、身長差による必然的な上目遣いで永瀬の名前を呼んだ。

しかも羞恥心によって白い顔が少し火照って赤く染まっている。

破壊力は超絶に抜群だった。

永瀬「ぐぉ…………極限超えたわぁ……悔い無し…」

永瀬は鼻血を垂れ流しながら力無く床に膝を着いた。

小峠「こんなもんでよかったですか?」

小峠はいつものあっけらかんとした表情に戻っているが、永瀬が受けたダメージは相当なものだった。

永瀬「…よっしゃ、華太。結婚しようぜ。知ってるか?俺たち戸籍上は兄妹だけど、血が繋がってないから法律上結婚可能なんだわ。そうと決まれば指輪買いに行って、新居買いに行って…あと結婚式場も押さえとかないとな。さぁてこれから忙しくなるぞ」

しまいには地面にふせながら結婚などとほざくものだから、さすがの小峠も困惑してしまった。

それを聞いていた兄貴分達が「俺もお兄ちゃんって呼べ!」と乗り込んでくるまであと5秒。




数十分後___。

天羽組の事務所の床には、屍と化した狂人共が転がっていた。

工藤「おめぇら起きねぇか!仕事しろ!」

冨樫「…駄目ですね、全員意識ねぇっす」

阿久津「……華太、何があった?」

小峠「お兄ちゃんって呼んだら皆こうなっちゃったんですけど……なんでですかね?」

阿久津「それだよ!この狂人共にそんなこと言ったらそうなるわ!」

小峠「えぇ……?」


___一お兄ちゃん、陽咲也お兄ちゃん、光一お兄ちゃん、蒼一郎お兄ちゃん、梗平お兄ちゃん、光晴お兄ちゃん、幸真お兄ちゃん、琉己お兄ちゃん、紫苑お兄ちゃん、泰輝お兄ちゃん、朔太郎お兄ちゃん、隆太お兄ちゃん、純平お兄ちゃん、亘清お兄ちゃん、功志郎お兄ちゃん、陽太お兄ちゃん___


以上16名のお兄ちゃんを手玉にとってしまった小峠は、ある意味天羽組最凶なのかもしれない。


そしてこの天然な可愛い妹を守るため、今日も今日とてお兄ちゃん達はせっせと仕事に励むのだ。



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