テラーノベル
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桜はドキドキ胸が高鳴った、自分のバックを肩にかけている彼が、親切で持ってくれているとはいえ、あまりにもピンクのショルダーバックは彼には似合わない、思わず笑いそうになる
いつしか二人は恋人同士のように指を絡ませて手を繋いでいた、そうしようとした覚えはジンには無かったが、二人の手の自然な状態だという気がした、桜がジンを見上げるようにして訊いた
「浜崎さんはまだ追いかけて来てる?」
「さぁ・・・どうだろう、確かめるためには振り向かないといけない」
「わかりました!念のため演技を続けているのですね」
ボソ・・・ 「・・・そういうわけでもないが・・・」
使命感に燃えた桜がぎゅっと手を握り返して来た、ジンは手を繋いで密かにときめいた心に水を差された気分になった 心斎橋の名所の橋にたどり着いた二人は、綺麗に舗装された階段を降り、「道頓堀川遊歩道」の手すりにもたれた
道頓堀川のネオンが映る水面を眺める・・・
グリコの看板や、たこ焼き屋の提灯、行き交う観光客の笑顔が、川面に揺れる光と混ざり合う
カップルがとても多い、今この街の夜は、まるで恋人達のために輝いているかのようだった
「とってもキレイ・・・ネオンが水面に映ってるわ、みんな写真取ってる」
「どうして阪神タイガースが優勝するとみんなここへ飛び込むの?外国人から見た、日本人三大不思議のひとつだよ」
クスクス・・・ 「タイガースファンの父から聞いたけど、始まりは人間じゃなくて、道頓堀にあったケンタッキーの「カーネルサンダース」の等身大の看板人形を落として祝っていたらしいの、でもその看板が撤去されたら、今度はカーネルの扮装をした人間が飛び込み出したんだって」
「どっちにせよ、不可解だよ」
クスクス・・・ 「深くは考えないで、そういうものなのよ」
桜は目をキラキラさせながら、身を乗り出して川を覗き込む、すぐ近くにいる彼女の髪が夜風に揺れ、ジンの頬をそっとくすぐる・・・
その瞬間、なぜか心臓がドクンと跳ねるのを感じた
偽装のはずなのに・・・彼女の無垢な笑顔がジンの心をブンブン揺さぶる、思わずもっと近づきたくて桜に覆いかぶさるように手すりを両手で掴んで、出来た胸のスペースに小さな桜を収めた、このまま持って帰りたい
クスクス・・・ 「信じられない!私の顔!ジンさんの胸の辺りですね、まるで子供みたい」
「君を子供なんかと思った事ないよ」
「本当?」
「僕は嘘はつかないし、お世辞も言わない」
心斎橋の橋の上で、二人はまるで時間が止まったかのように静かだった
沈黙が長く続いた、そしてまたジンはハッとした、今度は頭上の橋の上から浜崎が二人をじっと見ていた
スマホで写真を撮るカップル、たこ焼きを頬張りながら通り過ぎる若者達・・・
周囲は賑やかさを増し、外国人観光客が「オー! ラブリー!」と叫んでネオンを激写しているのに、浜崎だけは鋭い視線を二人に向けていた
「浜崎さんがこっちを見てるわ・・・」
桜も不安そうに言う
「しつこいヤツだな」
コメント
2件
ジンさん桜ちゃんの可愛さに制御不可能になりそう(≧∀≦) もっとイチャついて、浜崎さん蹴散らそー✊ ̖́-
どんどん大胆になってくジンさんいいわぁ😍 🥸浜やんにも怪しまれてることだし、もう連れ帰っちゃいなさいな〜🤭