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夫は身体の関係を持った淳子とのことは、ただの身体が暴走しただけの事故の
ようなものだから気持ちを持っていかれることは決してない。
愛しているのは……好きなのは、私だと言い切った。
この夫の言葉の真意が知りたくて、どうにかしてチェックしたかった。
それで私は淳子と同じようなことをしてくれる場所を探したのだ。
ううん、場所そのものではなく同じような行為をしてくれる人を
探していたのだ。
性感マッサージなんて怖くて行けない、せめてアロママッサージと謳っている
ところにしようと思い選んだ店とセラピスト。
何を勘違いしたのか後々《あとあと》分かったこと、あの店は単なる
アロママッサージを施術する店ではなく、れっきとした女性専用風俗/性感
エステ・マッサージ店だったのだ。
冷や汗ものだ。
だけど、堀内くんみたいな安心して施術してもらえるセラピストに当たり、
その上自分の望みも完遂《かんすい》することができ、後悔はない。
ただの自己満足と言われればそれまでなのだが、自己満でいいのだ。
それこそが自分にとっては大事なことだったのだから。
彼と交わした行為から、夫の言葉を信じることができそうだから。
そしてそれは私が持ちうるギリギリのライン上で成し得ることができたことも、
私にとって上々であった。
結果……身体同士親密になった相手堀内くんに、私が心を持っていかれる
ことはなかった。