「んんッ…ここは?」
目覚めると俺は知らない部屋にいた。
なんだまだ生きてるのか。
少し残念に思いながら辺りを見渡した。
軽く見たが怪しいものが置かれている様子はない。それが分かって何故か安心した。
体を起こそうとした時「イッ…」と声を漏らした。追い出された時にやられた傷が痛む。傷の部分を見ると丁寧に包帯で巻かれていた。
多分ここの人がやってくれたのか。
お礼を言うためにこの部屋から出ようとベッドから降りようとした時後ろから服を引っ張られた。誰かいるのか振り返るとそこには白い毛並みの2匹の小狐がいた。小狐達は俺に向かって小さく首を振っていた。どうやら降りちゃダメな感じだったから俺はこの子達の言う通りにした。
俺が降りないことがわかったのか小狐達は俺の手にすり寄ってきた。毛並みがふわふわで癒される。
それからも小狐達に癒されると部屋のドアが開き水色の髪色の人が入ってきた。体格的に男性…。
「あ、起きてたんや。体調どう?」
「だ、大丈夫ですけど」
俺が怪しんでることに気づいたのか。自己紹介を始めた。
「僕は氷織羊って言います。この子達かわええやろ?」
「この子達は氷織さんのペット何ですか?」
「ペットやないけどまぁ、そうやね。この子らは僕の能力で生み出されてる子なんよ」
「そうなんですね」
能力…この世界には能力者と非能力者が居る。ちなみに追い出された所は半数以上が能力者だった。俺も弱いけど一応持ってる。
「君も持っとるやろ?潔世一くん」
氷織さんに俺の名前を言われた。てか、なんで知ってるんだ。俺何も名乗ってないのに
「なんで氷織さんが俺の名前を…」
「ふふっ、僕は何でも知っとるんやで」
氷織さんはウインクして言った。何でも…つまり俺がこうなっている事もッ
「んな訳ないやろ氷織。みどりくんから色々聞いとったやろが 」
ドアの方から聞こえそちらを見るとそこには緑のパーカーを着た人がいた。
「ゾムなんでそないなこと言うの。言わんかったら面白かったのに」
氷織さんはおもんないわーと文句言っていた。ゾムと呼ばれた人は
「嘘つくなって言っとるだけや」
と言いながら氷織さんにデコピンをした。そして俺の前に立って自己紹介を始めた。
「俺は翡翠望夢。周りからゾムって言われてる。体調はだいぶ良くなっとるな」
「俺を心配してたんですか?」
「お前が路地での姿見てたしめっちゃ心配しとったんや。けどそん時よりも元気そうやし良かった。けど、今は安静にしとけよ。傷口開けられたら洒落にならんしな!」
これから任務あるからまたな!と言ってゾムさんは部屋から出ていった。そしてまた氷織さんと2人になった。
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オ疲レ様デス。マスター。
情報ヲ取得シマシタ。閲覧シマスカ?
·····カシコマリマシタ、情報ヲ開示シマス。。。
-氷織羊 ヒオリ ヨウ
ク–ムソ–ニ所属。能力ハ狐。
基本ヒーラーニ、徹シテイルガ、必要にニ応ジテ
サポーターニ、ナル。実力ハ不明。ダガ、ヤバイト、言ワレテイタリスル。
-翡翠望夢 ヒスイ ノゾム
ク–ムソ–ニ所属。能力ハ—-。
味方最大ノ脅威ト、言ワレテイル。
戦闘面ニ強ク、戦イタクナイト、言ワレル程ノ実力。
·····マタ、新タナ、情報ヲ、見ツケ次第、報告シマス。
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