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#闇バイト
るしゅ
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土橋真二郎
215
【質問は禁止です】
モニターに表示された文字が消える。
部屋は静まり返っていた。
さっきまで話していた海斗も黙っている。
なんとなく空気が変わった。
俺だけじゃない。
みんな同じことを感じている気がした。
その時だった。
ガチャ。
部屋の奥のドアが開く。
全員が振り向く。
黒いキャップを被った男が入ってきた。
マスク。
サングラス。
季節外れのパーカー。
顔は見えない。
男は何も喋らない。
代わりに床へ段ボール箱を置いた。
ドン。
意外と重そうな音がした。
そして、そのまま出ていった。
一言も喋らずに。
「なんなんだよ……」
誰かが小さく呟く。
俺も同じ気持ちだった。
モニターが再び点灯する。
【番号順に荷物を受け取ってください】
番号?
そう思った瞬間、俺のスマホが震えた。
画面を見る。
【参加者番号 17】
どうやら全員に振り分けられているらしい。
一人ずつ前に出る。
箱の中から封筒を受け取る。
それだけ。
海斗が先に受け取った。
次。
次。
そして俺の番。
箱の中には茶色い封筒が並んでいた。
自分の番号が書かれた封筒を手に取る。
軽い。
紙が数枚入っているだけの重さだった。
席に戻る。
モニターに新しい文字が表示される。
【開封してください】
部屋中で封筒が開かれる音がした。
俺も中を見る。
一枚の紙。
そこには住所が書かれていた。
そして写真。
普通の一軒家だった。
それだけ。
仕事内容も書かれている。
【指定住所の確認】
【滞在時間五分】
【報酬三十万円】
俺は紙を見つめた。
確認?
何を?
意味が分からない。
隣の海斗を見る。
海斗も首を傾げていた。
「なぁ」
小声で話しかける。
「これ何するんだと思う?」
「さぁ」
海斗は苦笑した。
「でも三十万だしな」
その言葉に何も返せなかった。
三十万円。
結局みんなそこに行き着く。
怪しい。
おかしい。
でも三十万円。
だから誰も帰らない。
モニターに最後の指示が表示された。
【現地集合ではありません】
【単独行動を徹底してください】
【他参加者との連絡先交換を禁止します】
俺は眉をひそめた。
そこまで徹底する理由は何だ。
その時。
一人の女の子が立ち上がった。
大学生くらいだろうか。
「やっぱり私、帰ります」
部屋が静かになる。
彼女は封筒を机に置いた。
「三十万は魅力だけど、さすがに変です」
誰も止めない。
俺も少し安心した。
そうだ。
帰れるんだ。
帰っていいんだ。
その瞬間。
彼女のスマホが鳴った。
ピロン。
彼女は画面を見る。
そして――
顔色が変わった。
一瞬で。
血の気が引いたみたいに。
「え……」
震える声。
スマホを持つ手も震えている。
何が表示されたのかは見えない。
だけど。
彼女はゆっくり席に戻った。
そして何も言わなくなった。
帰ると言ったはずなのに。
帰らなかった。
誰も喋らない。
誰も動かない。
部屋の空気だけが重くなっていく。
俺は喉を鳴らした。
さっきまでの違和感が。
少しずつ恐怖に変わり始めていた。
(第七話へ続く)
コメント
1件
第6話、めっちゃ不気味でゾクゾクしたよ!!😳💦「質問は禁止です」から始まって、みんな黙って封筒を受け取る感じ…まるで洗脳されてるみたいで怖かった!!あと帰ろうとした女の子がスマホ見て急に引き返すシーン、何表示されたんだろ!?って気になりすぎる!!報酬30万の魅力で誰も帰れないジレンマ、めっちゃリアル〜😭るしゅさんの空気感の描き方、毎回ドンピシャでエモいよ!!次が待ちきれないっ!!🌸✨