テラーノベル
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窓から差し込む朝陽がセーフハウスのベッドを白く照らし出した
中也がゆっくりと目を開けると視界の高さが昨日までと違う
ぶかぶかだったシャツの袖は手首まである
(戻った、のか…?)
安堵したのも束の間
昨日までの光景が濁流のように脳内に流れ込んできた
太宰の膝に乗って甘えたこと、お風呂で体の隅々まで洗われたこと
そして昨夜熱に浮かされながら太宰に縋り付き「しゅき」と云った自分の声
「……あ……………ッ!!」
中也は顔を両手で覆い、ベッドの中で絶叫を押し殺した
死にたい
今すぐ汚濁を発動してこの部屋ごと自分を消し去りたい
だが追い打ちをかけるように隣から聞き覚えのある愉悦に満ちた声が響く
「おや、中也。朝から元気な叫び声だね。昨夜はあんなに可愛らしく鳴いていたのに」
「…っ、手前………起きてやがったのか……!!」
中也がガバッと起きると隣では太宰が肘をつき、満足げに中也を眺めていた
中也の顔は髪の色よりも真っ赤に染まっている
怒りと恥辱で全身が小刻みに震えていた
「殺す……!今すぐぶち殺してやるクソ太宰!!」
「おやおや、恩人に向かってひどい言い草だ。おむつを替えてあげようか、なんて冗談に『やだぁ』って泣きついたのは誰だったかな?」
「云うな!喋るな!記憶を消せ!」
中也は枕をつかんで太宰に投げつけたが太宰はそれをひょいと避けると、素早い動きで中也の手首を掴み、ベッドに押し倒した
「……っ、離せ……!!」
「離さないよ。……君、忘れたのかい?昨夜口移しで薬を飲ませたとき…自分から私の首に腕を回してもっと、って強請ったじゃないか」
太宰の顔が至近距離まで迫る
その瞳にはからかいの色だけではなく逃がさないという執着が色濃く混じっていた
「…あれは……薬のせいで……っ」
「薬のせいにして逃げるのかい?本能は嘘をつけないよ、中也」
太宰の指先が中也の耳元に触れる
中也は反射的に肩を跳ねさせた
幼児期の記憶が、その指の感触が「心地よかった」と脳に訴えかけてくる
それが何よりも屈辱だった
「……てめぇ………全部計画通りだったんだろ……」
「さて、何のことかな?」
太宰は残酷なほど美しく微笑むと抵抗を止めた中也の首筋に昨夜の「印」をなぞるように深く口づけを落とした
コメント
2件
癖にぶっ刺さりすぎて一気見しました🫶🫶🫶ほんとに、あのすみません語彙力なくてもう好きです好きしか言いようがありません太宰さんの執着が本当にだいすこ
だざむ