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かな「…別に人を憎むことは悪いことじゃないと思うんです。」
この吐露は、sepiaにとっては心の整理の意味合いに近くもあった
内戦の苦しみを知るものはいれど、かなだけの苦しみを知る者はそれこそ、りさしか存在していないのだ。
”りさ”
彼女はかなにとって、1番の味方である
かな「色んな人に矯正されたから私は人間の味方をしようとしてるわけでして、一括りにしちゃうなら、私だって人が憎いのかもしれないですし」
sepia「…まぁ、お前はその青髪のやつが強いんだろうな、青髪のやつは保護者的な意味で、お前のことを心から想ってると思うし。 」
sepia「心から羨ましい、あの時は居なくても、今お前には頼れる人間がいる」
sepia「…俺が頼れる人間はもう_」
sepia「……」
かな「口にするのも辛いでしょうね」
sepia「…あぁ」
sepia「…じゃあ、俺は行く、多分社長に怒られるけど」
かな「いつもお疲れ様です、本当に。」
sepiaは再度乾いた笑いをあげる
sepia「…ありがとう」
気恥しそうに感謝すると、病室を出た
かな「…」
かな「…sepiaをこっち側に寝返らせたら、色々聞けるのかな」
かなは景色を見た
かな「ここは静かだなぁ…」
sepiaが帰り、2時間ほどすると
りさ一行が病室に入ってきた。
かな「あっ」
りさ「え?」
数秒、病室に静寂が流れる
しばらくすると、リボルバーが驚いた様子で聞いてくる
リボルバー「…いつ起きましたか?」
かな「…えっと、昨日の夜です」
ラピッド「ご無事でなによりです…あ、自己紹介がまだでしたね!!すみません!」
リボルバー、ラピッドはかなに今までのことを説明する
かな「…つまり今はヘリを墜落させた犯人探しってことですか…?」
リボルバー「その通りです。」
かな「…助けて頂きありがとうございます…」
かな「…貴方は?」
かなは真弘の方を見て、聞く
真弘「初めまして、真弘です。」
真弘「弟を探してて…」
かな「…弟さん、ですか?」
真弘「はい、弟に会いたいんです、会いたいというか、会わないといけない気がして」
かな「…そうなんですね…」
かなは自分に刺されている点滴の方を向きながら返事をする
かな (…なるほど)
かな (…真弘って人はsepiaの兄で確定かな)
かな (まぁsepiaもその事は分かってるだろうし、どうにかして話をさせてあげよう)
かな (多分真弘って人は…気付いてないのかな )
かなは考える
おそらくいきなり”弟と会った”と聞けば全員が疑うだろう、sepiaの事情など4人は知る由もないのだから
かな (…いや、鉢合わさせるしかないかな)
りさと雑談をしながら考える
かな (いやでも…おかしいかな?多分sepiaと3人が会えば3人は追い出そうとする気がするし、私が静止していいのか分からないし)
p.m 19:00
ラピッド「それでは、我々は戻りますね!」
りさ「また明日、」
リボルバー「どうか不審者にはお気を付けて!」
3人はすぐり扉の方をを向く
真弘「…?」
だが、真弘だけが、よく分からない人だと言わんばかりの目でかなの方を見てから、一拍遅れて3人と同じ方を向き、病室を出た。
翌日、sepiaは少し神妙な顔でかなに提案を持ちかける
sepia「…なぁ、協力して欲しいって言ったらしてくれるのか?」
かな「…内容によります」
かな「…でも、何故です?」
sepia「お前と対面したとき、俺が銃向けたのに動揺しなかった、」
sepia「お前、結構…戦闘慣れしてるだろ」
かなは困ったように笑った
かな「…まぁ戦闘はしてます、…青髪の人と行動してるうちに身についたので」
sepia「あーりさで伝わるからいい、気遣いはいらない」
かな「はーい」
sepia「…それで、だ」
sepia「お前…いや、かなさん…に、”俺が務めるmia子会社社長の暗殺”の手助けをお願いしたい」
かな「…えっと」
かなは困惑の表情を浮かべ、問いかける
かな「…正気です?」
sepia「正気だって、今の子会社の社長が大っっ嫌いなんだよ、俺は」
sepia「…対価は、mia子会社が保有してる”全ての金”と”miaの内部情報”」
かな「…お金…」
かな「まぁ、協力するのはいいけど、その代わり約束して欲しいんです」
sepia「全て約束したいところだけど、一応聞く」
かな「私を捕えない事、私が退院して、1週間以上してから動くこと、私の方からりさにこの事を伝えること」
かな「…最後に、終わったら、”真弘”って人に会うこと」
sepiaは瞬間、ギョッとしたような様子を見せた
sepia「………真弘って、俺の、兄…」
sepia「…社長に言われたんだ」
sepiaの声は震えていた
sepia「幻覚、なんじゃって、断定されて」
かな「…なら、私が断言してあげますよ」
かな「…真弘は”は幻覚**じゃない**です。」
sepia「…よかっ、た」
sepia「もちろん全部呑む、1に関しては言われなくともそうするつもりだった」
かな「…ほんとに殺したいんですね…」
sepiaの眼には嘘なんて到底ないように思える、sepiaは確かにmiaの思想には共感できるようだが、miaの強引なやり方をそこまで好いていなかった
かな「…でも、どうやって暗殺するんですか?」
sepia「…ちょっとリスクがあるんだが…いいか?」
かな「まぁ…」
sepia「まず、かなと俺が同意を得てかなを連れてきた、ってことにする」
sepia「かなには動きを封じてもらいたいんだ。」
かな「動きを封じる…」
sepia「あぁ。」
sepia「なるべく社長のみを殺したいんだ、mia子会社の人間は皆社長にマインドコントロールされてる」
sepia「…シンギュラリティを起こし、人間を破滅に追い込む、それがmiaだ。」
かな「うわ…」
かなはドン引きする
かな「マインドコントロールとか…やばいですね…」
sepia「まぁ、俺も悪いんだけどな…最初は確かに人間を恨んでたし、もう全員タヒねばいいとまで思ってた」
かな「…へぇ、口ぶりからして変わったんですか?」
sepia「…あぁ」
sepia「…俺らみたいな身勝手で、内戦の被害者含めて人間全員殺そうとか、間違ってんなって思って。」
sepiaは上体を起こしたかなと共に、窓から景色を眺める
sepia「…俺、再出発したい、AIの発展を願うことには変わらない、けど」
sepia「…兄が目指してた”AIと人間の完全共存”」
「追っ…かけて、実現した景色を見て…。」
sepiaは何かに浸るように、ゆっくり瞼を落とした
どさり。