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〈不優秀な私.優秀なアノ子 。〉
【第1章】
もし貴女みたいに私が優秀だったら
私はどれほど幸せだったのだろうか 。
もし私が色のある世界に生まれてたら
私はどれほど、恵まれてたのだろうか
–これは 、恵まれてるアノ子と、恵まれてない1人の少女の一つの物語 。
******
真っ暗な世界に生まれた私は
不幸な生活の日々だった
周りの人には
〝 きもちわるい 〟などと
言われて
両親には叱られる日々 。
二卵性双子の妹である
アノ子は優秀で、
私と違って目が見えていて
普通の子と同じ扱いを受けていた
私とは全く違う、扱いだった
リビングには響き渡る幸せそうな笑い声
それを聞くたびに胸が締まるような 、そんな感覚を覚える
〔…ちょっと 、また皿割ったの?〕
食器を洗っていると
つるり、と滑り落ちて.
ぱりん 、と音を立てて割れた
普通なら怪我の有無を確認するだろうけれど、
私の扱いは雑だからそんなことはなかった
〔夏穏《かおん》はほんと〕
〝なにも出来ない子ね〟
言われ慣れたその一言 。
なにも出来ないのは事実で
勉強も 、家事も 、
普通の子ができるようなことが
普通では無い私には出来なかった
私が私で無いみたいだ
本当の私が、時々見つからなくなる
「…ごめんなさい」
〔ほんとに何度言えばわかるのよ〕
こんな事もしょっちゅうあった
私の目で見たことはないが
両親が〝アノ子〟を愛するなら
〝アノ子〟は多分、宝石のように美しく綺麗なのだろう
「見てみたいな 、」
心の底で思ってたことがしまいきれてなかった
慌てて口を覆うも、母には聞こえていたようで
〔…はぁ、?〕
戸惑ったかのような、そんな声が聞こえた
「…お母様、私からのお願いです」
私にアノ子の容姿を
「見させて、いただけませんか」
〔何よ突然…、おかしな子ね〕
目が見えない 、けど
もし目が見えるようになったら
真っ先に視界に入れたいのは
〝アノ子〟だった
声は聞いたことあるが
容姿は全く見たことない
だから 、真っ先に目に入れたいのだ 。
「お願いします 。」
眼球のドナーがあればな …なんて思ったりもした
母の深呼吸が微かに聞こえ 、
恐る恐る下げていた頭を上げる
〔…眼球のドナーが見つかったらね 。〕
「ほんと 、ですか」
〔…稀にないもの 。あなたからお願い事だなんて〕
珍しく私に優しく笑いかける母に
私はホッとして 、涙がこぼれる
やっと言えた 。
私が 、思ってたこと
でも … アノ子が
母に頼んだことを聞いてしまったら、?
そんなの、絶対にダメ 、
「あの、お母様 。」
〔…、?〕
「私からもう一つ 、頼み事が」
〔…なに?〕
「…依穏〔いより〕には、内緒に」
〔わかったわ、内緒にするわ〕
「…ありがとうございます」
珍しく優しい、母の声が頭に残った
《第1章.end _ 第2章へと続く 。》
コメント
10件
え…こんな凄いの思いつくのがほんとにすげぇよ!!おもしれー!!
莉愛さんですわ〜〜‼️‼️えなに上手すぎじゃない❓❓いいじゃんいいじゃんめっちゃ好き‼️‼️ 不穏ってかなんて言うの、こういう複雑系でやばやば系のやつ見てて楽しいんだよ‼️しかも色々と解釈できたりするし微妙に百合要素含んでるのもびっぐら♡♡♡ぎありがとう書いてくれて‼️次も楽しみに待ってるね🥰🥰
双子設定かあ!! 最高かよ👍👍👍👍 サムネ描いてたやつじゃん! やっぱり家族だね、、(?)