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それでも彼は歩みを止めず、本社ビルに向かう。彼の使命はあくまで錆の都での任務だが、今回の召還には不穏な何かを感じる。上層部がなぜ自分をここに呼び戻したのか、その理由を知らされていないからこそ、不安が尽きないのだ。
しかし、鋼谷には確信があった。この街にも幽霊がいる。そして、ゴーストバスターたちが見過ごしている「何か」が、この街に潜んでいる。この「大都会の影」に潜む真実を見つけ出すことを彼は心に決めていた。
夜のビルの展望デッキに登り、眼下に広がる大都会の夜景を見下ろす。遠くに見える数えきれない街灯や車のヘッドライトの光が、川のように続いている。錆の都と異なり、ここは光と音の海に包まれている。
「大都会も、大して変わんねぇな。人がごちゃごちゃしてて、幽霊が紛れ込むにはちょうどいい場所だ」
呟いた鋼谷の顔には決意の色が浮かんでいた。錆の都とは違う、この大都会で彼はどんな真実と出会うのか。彼の目には、今まで見たことのない覚悟と、それに伴う不安が浮かんでいた。