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フランドールの翼

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フランドールの翼

1 - フランドールの翼 ー前編ー

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2024年03月21日

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ーこれは…私と、私の妹、フランドール・スカーレットの物語…

フランドール・スカーレットが今の羽になるまでの話ー…


フランドール・スカーレット「外に…出たい…。」

レミリア・スカーレット「そんなの、無理に決まっているわ。あなただって分かっているでしょう?貴方が貴方でいる以上は外には決して出られないのよ。」

フランドール・スカーレット「…そう…だよね…。」

私は…

私はバケモノ…

化け物は外に…

デラレナイ…。


レミリア・スカーレット「はぁ……。」

私は深いため息をついた。

ふと声をかけられた

パチュリーノーレッジ「ねえ、レミィ。そんなにため息ばかりつかれるとこっちまで暗い気持ちになるのだけれど?それにため息ばかり着いていると幸せまで逃げていくわよ?」

レミリア・スカーレット「あら、じゃあこの部屋は私の幸せで溢れているわね。」

パチュリーノーレッジ「全く…レミィらしいわね…。他人の幸せなんて自分にとっては不幸と同じことなのに。」

レミリア・スカーレット「…じゃあ、他人の不幸は?」

パチュリーノーレッジ「そんなの…って貴方…またフランのことで思い詰めているわね…?」

レミリア・スカーレット「…ねえパチェ…?フランのことどうにかならないかしら」

パチュリーノーレッジ「そのことについては今までも何度も話し合ったはずよ。思いつく限りのことはなんでも試したわ。もしもっと方法があるのであれば試しているわ。」

レミリア・スカーレット「じゃ、じゃあ!せめてあの子を落ち着かせる方法は…」

パチュリーノーレッジ「それこそ。姉の仕事じゃないのかしら?」

レミリア・スカーレット「…っ」

パチュリーノーレッジ「はぁ…。まあ、友人のメンタルをケアするのが私の仕事かしら。」

パタパタパタパタパタ…パチン。

小悪魔「はーい」

ととっとっ!

小悪魔「お呼びですかー?パチュリー様〜」

パチュリーノーレッジ「小悪魔。先日着いたあれを持ってきなさい。」

小悪魔「はーい」

コツコツコツコツ…

レミリア・スカーレット「…あれって何よ?」

小悪魔「よいっしょ…よいっしょ…っと」

ドン……

小悪魔「ふぅぅ……。」

パチュリーノーレッジ「…全く。少しは咲夜を見習って欲しいわ。」

レミリア・スカーレット「…これ何?」

パチュリーノーレッジ「開けてご覧なさい。」

ギイイイ……ガチャ……。

レミリア・スカーレット「……これ、何?」

パチュリーノーレッジ「魔法で作ったクリスタルよ。貴方、こーゆの好きでしょ?」

レミリア・スカーレット「貴方、私がこんなもので機嫌直すほど単純だと思ってる?」

コツコツコツ…

パチュリーノーレッジ「あら?要らないの?」

レミリア・スカーレット「…後で咲夜に取りに来させるわ。今度は私の部屋でお茶しましょ?」

パチュリーノーレッジ「ふふっ。楽しみにしているわ。」


レミリア・スカーレット「…咲夜。咲夜。」

十六夜咲夜「はい。こちらに。」

レミリア・スカーレット「…散歩したいわ。お供なさい。」

十六夜咲夜「はい。喜んで。」


レミリア・スカーレット「美鈴、外に出たいから門を開けてちょうだい。」

紅 美鈴「zZz…」

レミリア・スカーレット「美鈴、めーりん。美鈴!!さっさと起きなさい!バカ門番!」

紅 美鈴「!」

紅 美鈴「ひぃい…」

ギィィ……。


紅 美鈴「あはは…はは…はは…っ」

紅 美鈴「あ〜…こんな時間に…お出かけー。ですか??」

レミリア・スカーレット「吸血鬼が、こんな時間以外にどこに出かけると言うのよ?そんなことよりちゃんと仕事しなさいよ。…私たちが戻る時に寝てたら、首にするからね?」

紅 美鈴「うえぇ?!?!って、そんなすぐに寝れないですよ…散歩でしょう??」

レミリア・スカーレット「どうかしらね。期待はしないでおくわ。」

紅 美鈴「そんなぁ〜…。」

レミリア・スカーレット「咲夜、行くわよ。」

十六夜咲夜「はい。」

ザッザッザッザッザッ…

十六夜咲夜「お嬢様?あまり彼女を虐めないでくださいね?」

レミリア・スカーレット「ふふっ。だってあの子ったら…本当に面白い反応するんだもの。」




レミリア・スカーレット「咲夜。日中何か変わったことは無かった?」

十六夜咲夜「噂程度で宜しければ。」

レミリア・スカーレット「構わないわ。話して。」

十六夜咲夜「何でも、迷いの竹林の兎達が何やら不穏な動きを見せているそうで。」

レミリア・スカーレット「兎?」

十六夜咲夜「はい。」

レミリア・スカーレット「…兎風情が何を企もうとするのかしら?月にでも行くのかしら?」

レミリア・スカーレット「…月…月ね。」


レミリア・スカーレット「…つまりね。パチェ。こういう事よ。紅魔館を赤い霧で覆っちゃえば、私は気兼ねなく生活できると思うのよ。」

パチュリーノーレッジ「それは理論的には可能よ?でもその範囲を制限することは出来ないわよ?放っておけば人里まで流れて行っちゃうわよ?」

レミリア・スカーレット「そんなことは知ったこっちゃあ無いわ。要は紅魔館をに陽の光さえ当たらなければ良いんだもの。」

パチュリーノーレッジ「…洗濯物が乾くのが遅くなりそうね。メイド達は大変になるんじゃない?」

十六夜咲夜「私達メイドは、…お嬢様の意志を第一に優先致します。」

パチュリーノーレッジ「甘やかしすぎるのもどうかと思うわよ。…まぁ、私も紅魔館の住人として、その流儀に従うしかないのかしらね…?」

レミリア・スカーレット「ふふっ。さすがパチェ。持つべきものは友達ね。」

パチュリーノーレッジ「その言葉、友達は公平じゃないと思い知らされるの。…知ってる??」

ドンッ…ドンッ……

十六夜咲夜「…(ぺこ」

コツコツコツコツ…。

レミリア・スカーレット「…それで。いつやるの?」

パチュリーノーレッジ「いきなりやるのであれば〜…」

十六夜咲夜「ーーーー」

妖精メイド「(こく」

バタバタバタバタ…。

パチュリーノーレッジ「何かあったのかしら?」

レミリア・スカーレット「…咲夜。何かあったの?」

十六夜咲夜「…それが…。妹様の部屋から歌が聞こえた…と。」

レミリア・スカーレット,パチュリーノーレッジ「歌???」

パチュリーノーレッジ「良かったじゃない。ちゃんと姉の役目を果たしてるみたいね。…どうしたの?」

レミリア・スカーレット「可笑しいわよ…。だってこの間、外に出るなって言ったばかりなのよ?…なんだか嫌な予感がするわ…。…咲夜。メイドたちには絶対にフランの部屋に近づかないように言っておいて。」

十六夜咲夜「既にそのように指示してあります。」

レミリア・スカーレット「…そう。」

パチュリーノーレッジ「考えすぎじゃないのかしら?何も無いんじゃないの?」

レミリア・スカーレット「そうだといいとだけれど…。」

パリン……。ガシャン……。

レミリア・スカーレット「……っ」

ガタンっ…。

十六夜咲夜「っ!お嬢様!!」

パチュリーノーレッジ「私は先に図書館に戻っておくわ。…貴方はレミィを追いなさい。」

十六夜咲夜「(会釈」



パチュリーノーレッジ(…こういうのは、信じない主義なんだけど…。…たしかにいい音はしないわね…)




ガチャ……!

レミリア・スカーレット「フラン…っ!!」

レミリア・スカーレット「…!!」


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