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翌日の昼休み。
怪異探求倶楽部の部室には信愛、茜、さくら、そして焔垂の4人が集まっていた。
飛鳥の証言に隠された違和感について話を聞いたさくらは、眉を吊り上げる。
「あいつ・・・」
怒りを抑えきれない声だった。
「茜が考えた通りなら、最低って
言葉じゃ足りないレベルに最低じゃん」
信愛は静かに頷く。
「でも、仮にそれが本当だったとしたら」
少し間を置いて、重い口調で続けた。
「関わった4人は警察に捕まるべきだよ」
焔垂も苦々しい表情を浮かべる。
「確かにな・・・あいつらがやった事は
問答無用で犯罪だからな」
しかし茜は別の事を気にしていた。
「でもさ、信愛?大丈夫?」
信愛は首を傾げる。
「え?大丈夫って?」
「だってさ、千歳さんは信愛が視えないくらいの
悪霊なんだよね?信愛に祓えるの?
その問いに、信愛の表情が曇った。
「問題はそこなんだよね、私も色々考えたんだけど
どうすれば良いのか全く分からなくて」
4人は揃って黙り込む。
誰も答えを見つけられないまま、重たい空気だけが流れていた。
その時だった。
「みんな?何を悩んでるの?」
聞き慣れない幼い声が、背後から聞こえてくる。
信愛は驚いて振り返った。
「か、佳苗!?なんでここに?」
焔垂は信愛と少女を交互に見比べる。
「あのさ・・白縫さん?その子は誰?妹?」
茜が思い出したように手を叩く。
「あ、そっか!焔垂はまだ佳苗と会った事無いんだ」
さくらも頷いた。
「確かに!」
そして少女の肩にそっと手を置く。
「この子は佐藤佳苗、この前私に取り憑いた霊だよ」
焔垂は思わず聞き返した。
「ん?取り憑いた?ドーユーイミ?」
信愛は苦笑しながら頷く。
「だからその──」
信愛は焔垂に、佳苗と出会った経緯や、さくらに取り憑いていた理由、そして半人半霊になった事情を説明した。
説明を聞き終えた焔垂は、しばらく口を開けたまま固まる。
「て、て事は・・・本当に霊?」
佳苗はにこりと微笑み、小さく頭を下げた。
「はじめまして〜♬」
言葉を失う焔垂に信愛は苦笑を浮かべた。
#普通
野々さくら
543
805
44
ありあ
159
「まぁ怖いと思うけど、佳苗は別に──」
その言葉を最後まで聞く前に、焔垂は拳をぎゅっと握り締めた。
「うおぉ!すげー!俺、今霊が視えてるのか!?
すげー!マジですげーぞおい!」
大声を上げながら、その場で飛び跳ねる。
その反応に、信愛もさくらも目を丸くした。
「は?」
二人の声が綺麗に重なる。
一方の茜は、呆れたように深いため息をついた。
「はぁ〜・・・こいつときたら・・・」
しかし焔垂はそんな事など気にも留めず、目を輝かせたまま大興奮で飛び跳ね続けていた。
その様子を見た佳苗は、不思議そうに首を傾げる。
「みんな? この人、どうしちゃったの?」
不思議そうに首を傾げる佳苗の目を、さくらが手で覆い隠す。
「見ちゃダメだよ、バカが移るから」
すると茜がふと思いついたように口を開いた。
「でもさ? 佳苗が居るんならさ
ワンチャン、千歳さんと話せるんじゃない?」
信愛は茜の言葉に目を見開いた。
「あ、確かに!」
さくらもすぐに頷く。
「そうだよね。佳苗には千歳さんが視えるんだし」
焔垂は腕を組み、考え込む。
「霊同士だから視えるって事か?」
その一言を聞いた信愛は、ふっと黙り込んだ。
もし佳苗が千歳と話せるのなら、もしかしたら、直接真実を聞き出せるかもしれない。
そんな考えが頭をよぎる。
だが、その直後に別の思いが胸を締めつけた。
確かに佳苗が居れば千歳と話せるかもしれない。
しかし、それで本当にいいのだろうか。
自分は千歳と向き合わなくていいのか。
千歳の目を見て、自分自身の言葉で伝えるべきではないのか。
答えはまだ出ない。
信愛は葛藤するように唇を噛み締めた。
そんな信愛を、佳苗が不思議そうに見上げる。
「ん?信愛?どうかしたの?」
考え込む佳苗がもう一度呼びかける。
「おーい!信愛?信愛ったら!ねぇ?」
信愛は意を決したように佳苗の前へしゃがみ込んだ。
「佳苗?ちょっと試したい事があるの」
佳苗は首を傾げる。
「ん?試したい事?」
信愛は静かに息を吸い、佳苗の目を真っ直ぐ見つめ、覚悟を決めたように口を開く。
「佳苗さ──私に取り憑けない?」
コメント
1件
焔垂の「すげー!マジですげー」に笑ったww 霊に興奮する男子って初めて見たかも!でもそれで空気が和んだのは良かったね〜。そして最後の信愛の「私に取り憑けない?」って…! え、何その展開!? めっちゃ気になるんだけど! 千歳さんと向き合う覚悟決めたのかな? それとも別の狙いが? 続きが待ち遠しすぎる😭💕