テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
32
「おはよう」
そんな些細な、日常の端の言葉でも良かった。
もう会えない。
敵になってしまったからな。
夢を見たんだ。
「日帝。」
夢の中の貴方は、少し寂しそうで。
「愛してる」
ずっと言えなかった言葉。
夢だって、嬉しいと思う自分が嫌だった。
「ソ連っ………」
手を伸ばしたって、貴方には届かなかった。
「はッ………、、」
目覚めた時は苦しかった。
でも大好きな貴方を想えば辛くなかった。
伝わらなかった愛の言葉。
少しはわかってくれたか?
こんな世の中でも、
貴方がいる場所へ行こうなんて考えている自分へ釘を刺した。
もう会えないとわかっている。
届かない距離にいる。
満月、か。
そういえば、今宵は七夕だったな。
もう一度、またどこかで逢えますように。
短冊に願いを刻んで、踵を翻した。
あゝ、
たとえ火の海に呑まれたとて、
私は貴方を慕ふ。
「お早う。」
そんな言葉が、嬉しかった。
「ソ連。」
名を呼んでくれるだけでも嬉しかった。
戦争。
今じゃ飯は無いし、国民の不満は溜まるばかり。
なぜこんなことをするのか。
はは、愚問だな。
………あいつは、なんで、敵国…悪の枢軸国になってしまったのか?
「月が綺麗だな。」
ふいに、そんなことを言われたことがある。
そのときのあいつは、今にも消えそうだった。
「ああ、そうだな。」
でもなぜか、Яが返事をしたときは、悲しそうだった。
大体、言語の壁がある中で、
あいつのことを好きになってしまったのがおかしいんだ。
それに、Яがなぜ、アジアの国の気持ちを理解しないといけないのだ?
……1つの国相手に、ここまで感情的になる必要はない。
それでも、好きだったんだ。
伝えられなかったが、な。
あいつはまだЯのことを好きでいてくれるか?
空を見上げた。
遺るは、あのとき見た満月。
あっちでいえば、たなばた、というやつか?
まあいい。
適当な紙に願いごとを書いて、置いた。
日帝、また、出逢えるように。
いつまでも、я тебя люблю
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!