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R山。そこは最も過酷な山として登山家内では有名だ。
とある冬の日の話。その日は吹雪がひどく視界が真っ白になり何も見えないほど。
氷鷹穂稀(ひだかほまれ)。彼女はこの日、R山に登山へ来ていた。しかし、吹雪に襲われもと来た道を戻っていた。
真っ白の視界をなんとか進み、氷鷹はとある建物を見つける。木でできた小さな山小屋のようなもの。茶色い、板材で壁や床が構築されており、壁や床と同じ素材でできている三角屋根。その屋根の上にはこんもりと雪が積もって今にもその建物が崩れてしまいそうなほど。
氷鷹はその建物の周りを回ってなんとか入口を見つけた。コンコンと二回ほどノックをするが中から返答はなかった。氷鷹は誰もいないと思い、ドアノブを引いた。すると中は真っ暗で暖房器具なども無さそうだった。幸いにも入口においてある薄い、ペラペラのカーペットらしき物がありそれで少しでも体を温めようと氷鷹はそれを取っていった。
背負っていたリュックを下ろし、寝袋とランタンを取り出した。中に入っている食料品も確認した。しかし、食料品は1日分ほどしかなかったため明日の分も考え、今日はその半分だけ食べることにした。ランタンの明かりをつけるも、自分のいる付近しか明るくならないため部屋の端までは見えなかった。
ランタンの光に照らされながら氷鷹は吹雪をが止むのを待っていた。すでに1時間は経っている。しかし、外からのゴーゴーという音は鳴り止まなかった。
それから30分ほど経った頃だろうか入口の扉からコンコンというノックの音が聞こえた。氷鷹はその音を聞き、扉へ向かった。そして「はい」と返事をすると外から渋い声が聞こえてきた。しかし、吹雪のせいで何を言っていっているのかは分からなかった。だが、吹雪で困っているのに違いない。氷鷹は扉を開けてその人を中へ呼んだ。