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―玲王獅子図書―今日も店内には多くのお客さんが訪れていた。
本棚には小説や辞典、海外の珍しい本まで並び、人々は静かに本を読んでいる。
従業員の望月穂波は、返却された本を棚へ戻していた。
穂波「えっと、この本はこっちの棚……」
すると――
「うぅ……っ……」
小さな泣き声が聞こえる。
穂波「……?」
穂波が声のした方を見ると、本棚の隅で小さな男の子が泣いていた。
穂波「どうしたの?ボク、迷子かな?」
男の子は涙を拭きながら、小さく頷く。
迷子の男の子「……お母さん、いなくなっちゃった……。」
穂波「そっか……怖かったね。」
穂波は男の子と目線を合わせ、優しく微笑む。
穂波「大丈夫。お姉さん達が一緒に探してあげるからね。」
男の子「……ほんと?」
穂波「うん!」
すると近くで本を整理していた咲希と志歩も気づいた。
咲希「どうしたの?」
穂波「迷子みたいなの。」
志歩「親とはぐれたのか……。」
穂波は店長である一歌のところへ向かう。
穂波「一歌ちゃん、この子迷子みたいで……。」
一歌「えっ、大丈夫!?」
男の子は不安そうに一歌を見る。
一歌は少し考え込んだあと、優しく話しかけた。
一歌「まずは落ち着こうか。お名前、言える?」
男の子「……ゆうた。」
一歌「ゆうたくんか。じゃあ、お母さんをみんなで探そう。」
咲希「店の中を見てくるね!」
志歩「入口の方確認してくる。」
穂波「私はゆうたくんと一緒にいるね。」
ゆうたは少し安心したのか、涙を止める。
穂波「好きな本とかある?」
ゆうた「……きしゃの本。」
穂波「ふふっ、じゃあ待ってる間、一緒に見ようか。」
穂波は棚から汽車の絵本を取り出す。
ゆうたの表情は少しずつ明るくなっていった――
明治の街並みではぐれてしまい、その母親は図書にいることに気づいて駆けつける。
母親「ゆうた!どこに探したんだよ?」
ゆうた「おっかさん!」
一歌「よかったぁ…見つかって! 」
母親「本当にすみませんでした💦私が迷子でつい道に迷う癖があるんです」
志歩「そうなんですね、ゆうたくん、これ金平糖あげる」
ゆうた「お姉ちゃん達いいの?」
ゆうた「お姉ちゃん達いいの?」
穂波「もちろんだよ。」
咲希「今日は特別サービスです!」
志歩「咲希、勝手に決めない。」
一歌「ふふっ。」
ゆうたは金平糖を受け取り、嬉しそうに笑った。
ゆうた「ありがとう!」
母親「皆さん、本当に助かりました。」
一歌「気にしないでください。またいつでも来てくださいね。」
母親は何度も頭を下げながら、ゆうたの手を握る。
ゆうた「ばいばーい!」
穂波「またね!」
図書館の扉が閉まり、店内は再び静かな空気に戻った。
咲希「見つかってよかったぁ~。」
志歩「穂波、対応慣れてたね。」
穂波「えっ?そ、そうかな……。」
一歌「でも穂波ちゃんが優しく話してくれたから、ゆうたくん安心してたよ。」
穂波「えへへ……。」
その時――
カランッ♪
入口のベルが鳴る。
新しいお客さんが入ってきた。
老人「すまないねぇ、“外国の汽車図鑑”って本はあるかい?」
志歩「外国の……?」
咲希「なんだか難しそうな本!」
一歌「確認してみますね。」
穂波はふと、さっきゆうたと読んでいた汽車の絵本を見る。
穂波「今日は汽車の日なのかな。」
咲希「ふふっ、かもね!」
明治の街の小さな図書館では、今日も穏やかな時間が流れていく――。
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