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俺の名前は赤谷 蓮(あかや れん)
少し怖いのは苦手だ。好きな人は今泉花さんで、黒岩竜一や松村ライキ達みんなと同じクラスメイトだ。
2週間前からどんどんクラスメイトが亡くなり、ついに今朝、LINEグループの方で同じクラスメイトの高橋れな、中野さき、村田友香、白井拓馬、羽賀りょうが亡くなったと通知が携帯に入った。
もう半分の10人が死んでしまった。
5年前にも似たようなことがあったとニュースで報道されている。その時は1人だけ生き残ったらしいが、その人に関する情報がいっさい残ってないらしい。
次のニュースが流れる
「黒岩竜一君が何者かに拉致され、未だ行方不明です。何かわかる方は….」
赤谷蓮は驚き飲んでいた牛乳を吹き出す。
「竜一が!?…たしか竜一は1番最初に夢を見たよな…何か夢のことと関係あるのか…」
いろいろ考えてみても全くわからないが、もうそろそろ自分が夢の世界へ連れて行かれるのではないか怖くなってくる。
「た、たしか夢の世界へ道具を持っていけるって高橋れなが言ってたな」
最近高橋れなとLINEのチャットで話しをし、少し夢のことについて教えてもらっていた。
天才である白井拓馬は拳銃を作り、実際に怪物に使ったと言っていたのを思い出す。
「白井拓馬の家に行けば…何か武器があるんじゃ…」
赤谷蓮はいてもたってもいられなくなり、自分の家を出て、白井拓馬の家に向かう。
道中、ふと通りかかった交番を見てみると、
木下真里とその母親が警察と何やら怒鳴りあってる。
「木下さん??」
話の内容が気になった赤谷蓮は交番の横でバレない様に盗み聞きする。
「あんたの娘が黒岩竜一君を拉致したんだろ!!どこに連れて行ったんだ!監視カメラにも映ってるんだ!言え!これは犯罪だぞ!」
警察が怒鳴っている。監視カメラにも映ってるということはもう木下真里で間違いないだろう。
「私の娘がそんなことするはずないじゃない!!」
木下真里の母親も怒りながら警察と話す。
「だって昨日はずっと家にいたのよ!料理も手伝ってくれた!!」
するといきなり警察の人が木下真里の腕を掴む。
「一緒に署へきてもらう。お母さん、あんたもグルなんだろ??認めたらどうだ?監視カメラには黒岩竜一君と木下真里ちゃん以外にあともう1人、不審な人物が映ってるんだよ。黒いフードを被った不気味な人物がさ…これあんただろ?」
警察は木下真里の腕を強引に引っ張る。
「い、いたい!は、離して!」
すると母が強引に引っ張る警察官を殴ろうと降りかかる。
だが間に木下真里が割って入る。
「だ、だいじょうぶだよお母さん…きっと何かの間違いだよ…すぐに警察の人もわかってくれる…」
そして木下真里とその母親はパトカーで警察署へ連れて行かれてしまった。
最後にパトカーに乗る時、木下真里は泣きそうになっていた。
これで夢が収まるならそれで安心だが…
「木下真里…なんであんなにも泣きそうな顔してたんだ…」
赤谷蓮はなんだか嫌な気分になったが、このまま白井拓馬の家に向かうことにした。
白井拓馬の家に着くと同じクラスメイトの
橘 美香(たちばな みか)と出会った。
彼女はスタイル抜群で運動神経も良く、何事にも1番になりたがる。
「どうしたの??橘さん?」
赤谷蓮が橘美香に声をかけるが、おそらく僕と同じように何か武器が欲しいのだろう。
彼女も高橋れなからいろいろと夢のことを聞いていたみたいなので、納得だった。
2人は白井拓馬の家のチャイムを押すが誰も出てこなかった。
「あれ?だれもいないのかな…」
玄関のドアを開けると鍵は開けっぱなしだった。
「お邪魔しまーす」
泥棒している気分だが、白井拓馬の部屋へ入ると、たくさんのガラクタが置いてある。
「すげーな…」
白井拓馬の部屋はずっと使っていたかのようにそのままだった。
白井の寝る部屋へ入るとなんとベッドの上に白井拓馬の死体がそのまま放置されている。
「え、え!?なんで!?」
異様な臭いを放ち、赤谷達はベッドの毛布を掛け直す。
赤谷蓮と橘美香は部屋から出てリビングの方へ行くと、白井拓馬の家族も惨殺されていた。
すぐに警察に通報する。
「俺達が…第一発見者?…」
そうなるとおかしい。だれがLINEのグループに皆んなが死んだことを送ったのか。履歴を見てみると、LINEのグループに1人だけ知らない人が入っていた。
「だれだこの…Xって…」
赤谷蓮はあまりLINEを開かないので、全然気づかなかった。
橘美香は最初の頃から知ってるみたいだが、クラスメイトの誰かだろうと思い、特に気にしなかった。
不登校の生徒もいたし、たぶんその子だろうと思っていた。
壁の方を見てみると、何語で書かれているのかわからないが、(Das ist ein Spiel)と書かれている。
スマホで調べるとドイツ語で、(これはゲームだ)と変換された。
「なにがゲームだ…」
赤谷はこの字を見て怒る。
「木下真里じゃない!これは誰かが仕組んだに違いない!」
葛藤する赤谷蓮に対して、橘美香もどうしたらいいかわからないでいる。
恐らく白井拓馬の家だけじゃなくて他の皆んなもまだ死体は見つかっていないだろう…
「俺達の手で!この悪夢を止めるしかない」
赤谷は自分の心に誓う。必ずこの悪夢の謎を解明し、みんなを助けると…
数分経つと、白井拓馬の家に何人もの警察が入ってきた。
赤谷達は警察が来る前に白井拓馬が残してくれた最後の武器を手に取り、家を後にする。
「怖くないの??」
ふと橘美香が赤谷蓮に聞く。
もちろん赤谷蓮も怖い気持ちはある。
だがもし本当に死ぬかわからないなら最後まで足掻きたいと思っている。
今まで死んでいった仲間達の思いを背負い、僕達はバトンを渡されたのだ。
帰りの道中、赤谷蓮と橘美香は今泉花の家にきていた。
「相変わらずお金持ちの家はすごいな…」
今泉花の家はすごい豪邸でお金持ちしか住めないような家だ。
「あがってよー」
今泉花がものすごいご馳走を用意してくれた。
部屋へ行くと見たことない食べ物がずらっと並べてある。
赤谷連と橘美香も今泉花の家でご馳走してもらうことになり、机に腰掛ける。
今泉花の背後にはずっと白髭を生やしたスーツ姿の執事が立っている。
「あぁ…気にしないで。私の身に何かあった時以外は何もしないから…」
3人は飯を食べ終えると、これから夢でどうするか相談しあった。
ほとんどの情報は高橋れなが教えてくれていた。
だいたいの家の構造、本館と別館、怪物は何体もいるみたいだが、能力がそれぞれ違うみたいだ。
髪を伸ばして動きを封じる怪物。
煙のように姿を消す怪物。
まったく足音や気配を消し、近づいてくる怪物。
死んだ人間等に姿を変える怪物。
まだ他にもいるかもしれないが、対処することも可能だ。
息を止めていれば、空気中の温度は変わらず、怪物には見つからない。
全て死んでしまった仲間達が残してくれた情報だ。自分達はこの情報がなかったらきっと何も対抗できずに死ぬだろう。
だいぶゆっくりしすぎて、少し暗くなってきた。
「それじゃ!お邪魔しましたー!」
赤谷蓮と橘美香は今泉花の家を出る。
そしてその後。赤谷蓮は橘美香とも別れを告げ、
家に帰ることにした。
「ただいまー」
赤谷蓮は家に帰るが親はいなかった。
「あれ、いないのか…」
机を見てみると、今日の晩御飯が置いてあった。
先にお風呂に入り、晩御飯を食べたあと、
自分の部屋へ向かった。
ベッドに横たわり、天井を見ていると、
徐々に眠くなってきた。
そして深い眠りにつき、夢の世界へと誘われた。