テラーノベル
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呼吸は踊るようにするもの。話は飛ぶようにするもの。くしゃみは過去を振り返らないためにするもの。
僕の脳みそ。人に比べれば小さめな脳みそ。多分赤味噌。その奥の奥の奥。ぷくぷく、ぷくぷくと沼の水面に小さな穴を開ける泡があります。赤味噌をお湯に溶かした、いわゆるお味噌汁の沼です。そこの底から、泡が立っています。水面ですこししゃべって、やがて空気と一体になります。混ざります。保存性のあまりない僕の脳みそでは、そんな言葉はすぐに消えてしまいます。
沼から浮かぶ泡は、知らない言葉を発していました。
「睡眠は、使い果たすようにするもの。恋愛は、固いものを削るようにするもの」
誰が言ったのかもわからない、聞いたこともない、言葉の数々です。
僕の頭の沼に湧き上がる、不思議な言葉の数々です。
好奇の心が芽生えます。僕の頭の深層を、より深く太く、奥へ奥へと突き進みたくなっています。しかし、僕もそんなに暇ではないのです。いちいちそんな僕の忙しさを嘲笑し消えるような情報を、拾い集めているわけにもいかないのです。
生き物は働きます。近ごろだと、生き物じゃないものすら働きます。なので僕も例外ではなく、働きます。
生き物は生きます。近ごろだと、生き物じゃないものすらも生き物に見えます。なので僕も例外ではなく、生きます。
生きるためには食べるでしょう。食べるためには働くでしょう。それだけです。脳を小突く音がします。
「食事は慰めるようにするもの。労働は限りないためにするもの」
またです。泡の人です。泡として現れ、泡のように消える、僕の頭のなかの、泡の人です。
僕の生きる労働の、その狭間に現れた、泡の人です。あなたはなんなのでしょうか。
「質問とは、さも意味がないようにするもの。あなたとは、さも勢いがないかのようにするもの 」
僕にはそれはわからない。泡さんが言う話はちょっと親しいけど、理解はできない。ねえ、これはどうして?
「現実とは、見えていないもの。ならば、現実を見るようにすれば、わかるのでは?」
また難しい。端的に話してほしい。
「現実を映すのです。夢を見るように」
その時、僕の目にはやっと、太陽の光が映ったのです。
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柘榴とAI

コメント
1件
おお、なんかすごい詩的な世界観だね…!「泡の壁」ってタイトル、まさに浮かんでは消える言葉のイメージそのままで、最初から引き込まれたわ。脳みそが味噌汁って比喩、ちょっとくせになるし、泡の人の「現実を見るようにすれば、わかるのでは?」ってセリフがすごく印象に残った。主人公の内面と日常が不思議な言葉で彩られてて、続きでこの泡の正体とか謎がどう展開していくのか、めっちゃ気になる!面白かったです🔥