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■呪画怪談:『花骸(はながら)』
某オカルト雑誌編集部の書架より発見された、未掲載記事より。
特集『ネット上に拡散した「無題の絵」を追う』(仮題)
(※本記事は、複数の証言を元に構成しています。
個人特定を避けるため、一部情報を変更しています)
■発端は、匿名投稿
200X年春。
あるSNSに投稿された一枚のイラストが、
一部のユーザーの間で話題になった。
赤い花。
黒い水のような模様。
骨格だけの体を持つ少女。
投稿自体は、特に炎上もせず、
数日でタイムラインから流れていった。
しかし、その後――
奇妙な書き込みが散発的に現れ始めた。
■「動画配信者」に起きた事象
オカルト検証系の、とある中堅配信者の実況動画が、この絵を一気に有名にした。
しかし、実況配信中にトラブル。
その動画は削除されていて確認不可。
この後、一切配信やSNSへの投稿などはされていない。
アカウントは残っているが、連絡つかず。
■「保存した人」に起きた報告
当編集部が確認できた範囲で、
共通する証言は以下の通り。
・保存後、画像が増える
・フォルダ名が自動で変わる
・画像の視線や姿勢が微妙に変化する
IT系の専門家によると
「端末のバグや同期エラーの可能性」を指摘する。
だが、
ある投稿者の記録は、少し異質だった。
■ケース:都内在住・会社員(30代)
本人の許可を得て、
メッセージの一部を掲載する。
「削除したのに、また戻ってきた」
「今度は、手が伸びてる」
「スマホを変えても、消えない」
投稿は、ここで止まっている。
■美術関係者の証言
匿名を条件に、
現代美術に関わる人物がこう語った。
「似た話を、昔聞いたことがあります」
「特定のモチーフを使った作品は、
“見る側が完成させる”タイプがある」
「ただ……」
ここで、その人物は言葉を濁した。
「この件は、完成の仕方が普通じゃない」
■地方に残る、奇妙な言い伝え
民俗学の研究者によると、
一部地域にはこうした伝承があるという。
花は「境界」を示す
骨は「残るもの」を示す
水は「通り道」を示す
三つが揃う時、
「向こう側」が近くなる。
■取材中、起きたこと
この記事を書いている最中、
筆者にも、ひとつだけ妙なことがあった。
資料として保存した当該画像。
それが、
別のフォルダにも入っていた。
作った覚えのないフォルダ名。
people.JPEG
■最後に
この記事を公開するかどうか、
正直、少し迷った。
ただ、
もし同じ画像を持っている人がいたら
念のため、
バックアップを確認してほしい。
さっき、
確認したら
フォルダが、
もう一つ増えていた。
people+1.JPEG
開くべきか本気で思案している。
※文末に執筆者の記名あり、現在の編集部内にその名前を知る者は存在せず。
コメント
1件
今までの第一章〜第七章まで、文章の訂正とイラスト貼り間違いなど修整しました。