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彰冬彰短編集

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彰冬彰短編集

1 - 電車に揺られながら

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2022年08月28日

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ご覧いただきありがとうございます

電車に乗ってる彰冬彰です。まだ出会ったばかりの2人を書きました。ずっと彰人視点です。

プロセカの彰冬彰です。人によってはcpに見えたり見えなかったりすると思います。私は右左気にせず書いているつもりですがもしかしたら、彰冬、冬彰に思えることもあるかもしれません。

また、誤字脱字、キャラ崩壊、等あるかもしれないのでお気をつけください。

読んでからの苦情は受け付けておりませんが、何かルールに反することをしていましたらなんなりとお申し付けください。まだテラー初心者なので分からないことが沢山ございます。ご了承ください。

ではどうぞ


9/8 彰人の一人称をオレに修正しました。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ライブハウスを出たのは、丁度時計の針が4時半を過ぎようとしていた頃だった。

燃えるような日は徐々に沈んでいき、辺りの東雲色は黒色に塗り重ねられている。先程のライブの熱とは裏腹に、外は酷く静かで、どことなく寒気が感じられた。

鞄を開いて、大雑把に忘れ物がないかを確認すると、横に並ぶ相棒に視線を移した。


「最高のライブだったな」


「ああ」


先に準備を済ませて、自分を待ってくれていた相棒は、相も変わらず何を考えているか分からない。ライブではあんなに楽しそうな顔をするのに、舞台裏では無表情になるから、てっきりなにか悪いことでもしたのかと焦った。だが、急かさず待ってくれていたということは特に不機嫌なわけではないということだな、と勝手に解釈をして足を進める。

薄暗い公園にぼんやりと立っている時計を横目に、「今日の帰りは電車だな」と呟くと、

後ろから「そうだな」と凛とした声が聞こえた。


今日歌ったライブハウスは、渋谷から少し離れた片田舎にあり、勿論駅も渋谷と比べたら交通量の少ない方だった。

故に、この時間帯にしては人通りが少なく、妙な静けさがある。階段を上る度にコンクリートの乾いた音が響くのが、ほんのちょっとの恐怖心を煽った。

階段を上りきり、ホームにつく。まだ電車は来ていないようだった。オレはゆっくりとプラスチックの硬い椅子に座ると、相棒も一拍置いて隣に座った。

時が過ぎてゆく。喋り声が聞こえないせいで、冷たい風の音が鮮明に耳の横を掠った。

隣に座る、まるで人形のように一言も発する様子の無い相棒も、組んでから1ヶ月が経つ。1ヶ月経っても、分かることはこいつは歌が上手くて、どういうつもりかは知らないが俺に付いてくる気はあるということだけ。

そっと横を見ても、相棒は1mmも動かず、線路の向こう側をただじっと見ていた。

気まずいのは嫌いだ。初対面の人には猫を被ってしまうような性格だから、大体の人間とは会話が途絶えたことは無い。気まずいと、自分が何か不快な思いをさせたのではないかと考えてしまう。

だからって、こいつと離れる気はなかった。だってこいつの歌がオレをどうしても興奮させてしまうのだから。

何か話しかけてみようと思って口を開いたが、丁度電車が来たのでやめた。今度は相棒が先に立って、オレの方を向く。無言だけど、何かを発しているような瞳を見て、「ん、」とだけ返事をし、席を立った。



ガタンゴトンと揺れる車内はホームに負けず静かで、しかも暖房が効いているというので寝るのには最適だった。最適なのだが、流石に人の肩を枕にして寝るのはダメだと思う。特に、自分が美形だった場合は。

今日は朝っぱらから練習があったから眠かったのだろう。育ちの良さそうな相棒は、こんな夜遅くまで外に出ていたことがないから、きっと疲れて寝てしまったのだと思う。車内に入ってまだ5分も経ってないのに、すやすやと気持ちよさそうな寝息をたてている相棒はなんだかさっきよりも美しく感じられた。

いつも、怖くてあまり覗けなかった相棒の顔がすぐそこまで来ていてじっくり見てしまったが、すぐにいけないと首を横に振った。

いくら無口で無表情な奴だって、顔をまじまじと見られるのは嫌かもしれないだろう。それにあいつ、怒ったら怖そうだし。

渋谷までのんびり、スマホでも見て待とう。そう思ってズボンのポケットに手を伸ばした時、電車が大きく揺れて、ガタンゴトンと音が鳴った。びっくりして横を見ると、俺と相棒の体がズレてだいぶ密着する形に収まっていた。


(これ、誰かに見られたらやばいんじゃねぇの)


そう思うくらい頭がくっ付いていて、嫌でも相棒の顔が目に入り、いかにも育ちの良さそうなシャンプーが香った。………いくら我慢していても、湧き上がる好奇心には勝てないようで、俺はいつの間にか相棒の顔に手を触れていた。

やはり、美形の奴は電車で無防備に寝ないほうがいい。オレみたいな悪い奴に顔を弄られてしまうから。


相棒は普段も存分にイケメンだけど、寝てる時は、美しさや可愛さが相まって、一段とイケメンになる。普段はクールな切れ目に目がいって目立たない睫毛も、改めて近くで見ると全然長いし、もしかしたらそこらへんの女より長いと思う。それに、目の下の涙ボクロだってとても色っぽい。相棒の顔は神様が1つ1つ丁寧に配置したみたいに整っているし、大体の女はイチコロだ。オレだったら絶対惚れてる。オレの肩に頬がめり込んで、ちょっと膨れているけど、そんな顔でも美形を保てているこいつに少し腹が立って頬を抓ってやった。

電車の窓はもう、目的地の3駅前を写していたが、俺はそんなことに気づく気配も無く、夢中で相棒の顔を見ていた。駅も段々と人通りが多くなってきて、すっからかんの席にもぽつぽつと人が座り込んでいる。

最後に頬を思いっきり伸ばしてやって、体の向きを直した。もっと虐めてやりたかったけど、流石にこんな人がいる中で醜態を晒すほど馬鹿じゃないし、鬼畜でもない。それに、頬を抓った時に相棒が少し眉を寄せたから。大事な相棒の睡眠は邪魔したくはないのだ。


気づいたら3駅前のホームが閉じようとしていたところだった。半開きのドアから少し冷気が入ってきて、そのまま窓の風景が変わった。隣の相棒の体温が妙に暖かい。長い間暖房に打たれていた体は寝ている相棒のように、もう意識を手放そうとしている。


(まだ2駅あるしな、ちょっと仮眠ぐらいしても平気だろ)


最後に大きな欠伸をして、オレは青色の髪の毛に頭を重ねた。

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