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おばちゃんの家の裏のとうもろこし畑の
むこうの森にシャモの親子が生息していたのでした
その森はシャモの他に狼やイノシシがいたので
おばちゃんのお母さんからは絶対近づかないように
言われていました
でもある日 意を決したおばちゃんは
泥だらけになってもいいように
長靴を履いて森に入って行きました
この年の頃からおばちゃんは
大事なことは人の言うことを聞かず
自分の直感と判断で行動していたそうです
冬の寒さで柔らかくなった腐葉土が
絨毯のようになっていて
ちょうど運良く森はおばちゃんの足音を
かき消してくれていました
鹿の踏み分けた小道を辿ってしばらくいくと
茶色い鳥がクビを振りながら餌を求めて
ウロウロしているのを見つけました
鶏の中でも凶暴で有名なシャモと
一戦交える気などさらさら無い
おばちゃんは地面を這うように移動し
しばらくそのシャモを見張っていました
そして30分ほど
投げ出されている丸太に隠れて
身動き一つせずに息を潜めていました
背中は痛み 足はしびれてきていましたが
辛抱強く 数メートル先のシャモから
目を離しませんでした
そして
とうとうシャモの巣を見つけました
巣は大きな樫の木の下に小枝や葉っぱを集めて
作ってありました
幼い雛鳥の声が聞こえます
よく目を凝らして見ていると
雛は8匹いました
おばちゃんはガッツポーズをしたいのをガマンしました
この雛を捕まえて
とうもろこしで成鳥まで育てれば
一匹4000円で売れます
シャモと一戦交える覚悟をした時
おばちゃんの右斜め方向の茂みから狐がこちらを
じっと伺っているのを発見しました
狐は真っ黄色な目でおばちゃんを睨んでいました
おばちゃんは心の中で狐に話しかけました