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それから数日後
同期の中では不穏な空気が漂っていた。
まぁ仕事さえちゃんとしてくれるのであれば空気が悪くてもいいだろう。
俺は一区切り仕事片付けて息抜きも兼ねてサボるため普段行くことのない非常口の階段にタバコを吸いに行った。
(面倒な事に首を突っ込むのはよそう)と思いながらタバコを吸い仕事に戻ろうとした時
女性のすすり泣く声が聞こえた。
その声がするほうに目をやるとそこには麻衣子さんの姿があった。
そっとしておこうと思い、立ち去ろうとすると目が合った。俺は息を呑みそっと
「大丈夫?どうかした?」
すると涙を拭き顔を隠すように
「私は大丈夫!でも梶原君この事は皆に言わないでほしい」
「分かった言わないでおく」
「後ワガママかもしれないけど私ともうあまり関わらない方がいいよ」
「何で?」
「梶原君にも迷惑かかるから」
と言い出した。
俺は麻衣子さんが心の中では助けてと叫んでるように見えた。普段の俺なら面倒ごとに巻き込まれたくないから見て見ぬフリをするが助けてあげよう嫌、助けたい!と思った。
「なにがあったのか教えてほしい」
俺は麻衣子さんの目を見て言った。
すると麻衣子さんが小声で
「今日仕事に終わって時間ある?その時に話したい 」
「分かった!仕事終わったら近くの公園で待ってて」と俺はそう告げた
仕事が終わり俺は急いで公園に向かった。
するとベンチに座ってる麻衣子さんを見て俺は駆け寄り
「ごめん!待った?」
「ううん!大丈夫仕事お疲れ様」
「それで今日はなにがあったの?」と
俺は早速本題に入った。
「実はね少し前に中尾君から志保ちゃんの事で相談受けてたのは知ってるよね?」
「あぁ知ってるけどそれが何か関係あるのか?」
「その事で志保ちゃんから人の男に手をつけんじゃないって言われて弁明したんだけど信じてもらえなかったの」
「それで?」
「中尾君にも聞いてみてって言ったんだけど中尾君は私から喋りかけられたから相談してただけ麻衣子ちゃんの方から近寄ってきたって言われたの」
俺は中尾に腹が立った。
「それで今何かされてるの?」と聞き返す
「今梶原君以外の同期皆から除け者扱いされて無視とかされてる」
「そんな事されてるのか!」
「周りにはバレないよう勤務をみて他の人がいる時は無視はしてないからね」
少しの沈黙の後俺は
「麻衣子さん今どうしたいの?」
「私はただ平穏に仕事がしたくて愛想よくしてたのにこんな扱いされたら辛いし志保ちゃんからもお前辞めろよって言われたから辞めようかねって」
「俺は麻衣子さんの意見を尊重したいけどそれは本心なの?」
堪えていたのか涙が溢れ出しながから
「私だって辞めたいわけじゃないけど会社の多くの人は志保ちゃんの事信頼してるし私が何言っても信じてくれない梶原君もこの話を信じて欲しいなんて言わない私も誰を信じたらいいか分からないし」と言った。
「俺が助ける。今この現状をひっくり返す。俺の事を信じれないならそれでもいい。けれど約束する俺が麻衣子ちゃんを助ける。だから逆に俺が何かやってても麻衣子ちゃんは見て見ぬ振りをしてて」俺は抱きしめながら言った。
少しの間抱きしめ麻衣子さんが泣き止んだ後
「何で私のためにここまでしてくれるの?しかも志保ちゃんを相手にするって事は佳奈ちゃんも敵にすることだけどいいの?」
「関係ない俺は今麻衣子ちゃんを助けたいと思った。ただそれだけだ」と俺は目を見て優しく微笑んだ。
「何で?私の事そんな気にかけてくれるの?
私を助けても得なんてしないよ」
確かに普段の俺なら損得だけで動き自分に被害がなければ動こうとしなかった…はず
なのになぜだろうか自分でも分からなかった。
このモヤモヤする気持ちがなんなのかは
だから俺は一言
「なんとなく」と嘘をついた。