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宿屋で少し休憩したあと雑貨屋でミーシャのマナポーションをいくつか購入し、再び例の洞窟に向かう。
「そう言えば、その隠し部屋って誰か攻略したことあんの?」
「多分誰もないんじゃないかな?少なくとも私がその情報を仕入れた時は誰も存在を知らなかったしね。」
「どこまでその部屋について知ってるの?」
「ネットで見つけた情報そのまんま知ってるから、モンスター名とそのドロップ品の予想物とか攻撃パターンをすこ〜しだけ知ってるくらいかな。」
「それじゃあそれサクッと教えてよ。」
まず、モンスター名は『キングレオ』見た目はほぼライオンなんだけどサイズ感は桁違い。で、火力と素早さがかなり高いから実質プリンちゃんの上位互換的な存在だね。攻撃方法はシンプルな噛みつきと爪での引っ掻きらしいけど、他にも何かあると思うからその辺は気をつけようか。
ドロップ品に関しては予想であるけど、彼に関する武具が出るとの事。獣なのでツメとか武闘家みたいな職業に就てる人には嬉しいかもね。防具もそんな感じで恐らく素早さか攻撃力に補正をするタイプだろうからこっちは前衛職みんなが使えそうだよねって話。推定されるレベルや人数はレベルが25以上で人数が最低5人とされてる。また、さっき話した通り物理攻撃が多くその上火力も高いと予想されるので壁役の大盾使いなどがいると攻略が楽になるかもしれない。
「私が知ってる情報はこんなもんね。」
「レベルも人数もなんなら職業も何もかもあってないんですけど…」
「行くって言ったのはアンタなんだし諦めなさいよ」
「そんな強そうなやつ貰ったこの武器でも倒せるか怪しいんですけど?」
「最悪あんたの拳で分からせたら?」
「だから私は剣を使う剣士なの!拳で戦う方の拳士じゃないのよ」
「本当の最終手段って事で頼むわ。」
「えぇ……。」
シークレットボスと言われるキングレオについて軽く話していると目的の洞窟に辿り着く。入口でモジモジしてた冒険者達はもう居なくなってるところを見ると本当に大量発生の為だけに集まった人達なんだと実感した。
「さて、またこの洞窟に来たが今回は隅から隅までしっかり探していくぞ。」
「隠し部屋って言われてもどんな風に隠されてるのか知らないよ私?」
「初めて見つけた人の話だと壁に同化してるらしいが色合いがほかの壁と比べて薄く、少し発光しているらしい。」
「いわゆる魔法による隠蔽ってやつかな?」
「じゃあ壁に気をつけて探索と行こう。」
その後洞窟内を探索しつつ襲ってくるモンスターは容赦なく倒していき気が付くと二人ともレベルが25以上になっており、ステ振りも更にとんがった性能に変わっていく。何より恐ろしいのがこの探索中にミーシャが新たなスキル【魔法複合】というスキルを手に入れたこと。元々魔法使いにはあった力なんだが、それがスキルとしても扱えるようになり職業を変えると専用スキルは使えなくなるのだが、一定値を超えるとなんと専用スキルではなくなりどの職業でも使うことが可能になるという隠し要素的なものである。もちろん効果は多少ナーフされてるが、それでもこのスキルが強力なのは言わずもがなという…。
ポイズンスパイダーを倒したあの魔法も元のファイアという魔法に更にフレアという魔法を組み込んだ複合魔法でどちらも初期の魔法にもかかわらず使い込むだけであの火力を見せたんだ。扱い方を変えればこのスキルがイカれてるのがよくわかると思う。例えば回復系の魔法を扱う僧侶という職がこのスキルを会得したらHPを回復しつつ状態異常も治すという汎用性の塊みたいな能力を手にすると考えると如何に【魔法複合】というスキルが壊れてるか分かるだろう。そのスキルを彼女はマスターしてしまった訳で…今のところ職業を変える方法は確かになっていないが、公式から転職システムは構想があり実装予定でもあると公言されているため、あまりにも早すぎる先取りでこのゲームがヌルゲーにならないかがとにかく心配である。
かくいう私も専用スキルであった【剣士】というスキルが専用スキルではなくなって別枠で覚えたが、これは魔法複合よりも全然ショボイスキルでどの職業でも剣適性がついて攻撃力に10パーセントプラスに補正が入るだけのスキルだ。まぁ、剣を使い慣れてる人間からすれば嬉しいのかもしれないが、最大のポテンシャルを発揮するのはやはり『剣士』の時だけだろうから、私個人的には外れスキルだと思ってる。
まぁ、そんなことがありながらも探索を続けてるとようやく違和感のある壁を見つけて軽く触れてみると、壁の姿を保つのをやめて本当の姿を見せてくれた。と言っても明らかなボス部屋に続く扉なのだが…。
「これ見つけるのにだいぶ時間かかったなぁ……。」
「最初のダンジョンのくせしてちょっと広いのが悪いわホントに…。」
「で、見つけたからには行くんだけどミーシャMPは大丈夫?」
「このレベルになってから杖のアイテムとしての効果だけで倒せるようになったから問題ない。」
「まさか所持者のステータスが武器にも反映されるタイプだとは思わなかったよ。」
「毒霧で相手が溶けるのを見たらビビったよね。」
「私ちゃんと気分害して隅っこでキラキラ流してたからね。」
「状態異常だと思ったらまさかの溶かす攻撃魔法とは思わないじゃん?」
「その杖見た目通りのエグい性能してるよホント………。」
「けど、多分これから戦うボスには通用しないと思うよ?」
「キングレオ、ね。某有名RPGに出てくる肌の青いライオンみたいな見た目でないことを祈ろうかしら。」
「まんまそれ出てきたら訴えられておしまいでしょうが……。」
「それもそうか。」
「そんじゃあ前衛任せたプリンちゃん。」
「プリンちゃんって言うな。プリンか、プリンセスって言え!」
「分かった分かったプリンちゃん。行くよ」
「分かってねぇなこいつほんまに…。」