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「……」
「……」
心臓がバクバクとおかしな音を上げている。
飴玉をひとつ摘まんだ指先は熱く震え、それを待ち受けているのは口を開けた太一くん。
どうしてこうなってしまったのか、一度整理する時間が欲しいのに、真剣な表情で私を待つ太一くんの目がそれを許さない。
”早く”と急かされているような、”今からでもなかったことにしていい”と試されているような不思議な感情に飲み込まれて、唇をきゅっと結んだ。
「……」
「……」
目的は分かっていて、それを達成するための行動は単純明快なのに、身体は動かないし、美和子には正々堂々と奪い合うと宣言したものの、今更、なにをどうしていいのか分からない。
可愛らしさも大人の色気すら持ち合わせていない私にできる精一杯は、酔い止めの薬と気分転換になればと用意した飴を持って、彼の隣に座り、体調を気遣うくらいだったはずなのに、どうしてこんなことになったのか。*********
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