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鬼の鳴き声、走る足音、刃が交える音が響く。
鬱蒼とした森の中、 白銀の長い髪を靡かせ、両目に鋭い赤を宿し戦う少女が一人
(真)「はぁ、はぁ。他に鬼の気配はないな。これで終いか…。ふぅ…」
(私は真城。苗字はない。無くした。今、鬼殺隊として鬼を狩っている。理由?そんなもの一つだけだろう。)
(それだけだ…。)
大きく息を吐く真城の元に箱を背負った一人の鬼狩りが走りよる。
(炭)「あっ、真城!無事に終わったみたいだな!」
(真)「あぁ!炭治郎も無事なようで何より!他に鬼の気配もないし、終わりだろうな。」
彼の名は竈門炭治郎。鬼になってしまった妹を戻すべく、鬼殺隊に入ったのだと言う。
(炭)「そっか。なら日が出る前に退散しようか。任務終了の伝達は俺がやっておくよ!」
(真)「あぁ、頼む。確かにもうすぐ日の出だ。急いで帰らなければ…。焼け死んでしまうな!本当に苦労をかける。」
真城はそう言って眉を下げながら笑顔を浮かべる。
そう。鬼を狩る彼女は、日の下では、歩くことさえできない…。
鬼である真城がなぜ鬼殺隊に入隊しているのか…。それは時を遡る。
ある日の事…
(真)「おい、貴様何をしている。」
真城は鬼舞辻無惨の行方を探すため旅をしていた。というのも日の元では歩けないため、普段は夜に活動をしている。
時間を要する時は、日傘をさして昼間を歩いたり、影の多い森の中を歩いたりしている。
そして現在…
町の近くの森で鬼が出現するという噂を得て、森の中にひっそりと立つ戸建てに訪れていた。
中を見れば、子供を食おうとしていた鬼が一匹…
(鬼)「あぁ?なんだてめぇは。人の食事の邪魔をすんじゃねぇって親に教わらなかったか!」
(子供は生きているな…。)
鬼は子供をほおり投げ、ニヤリと口角をあげ鋭い爪を振りかざそうと腕を上げる
それをなんの迷いもなく避けてみせると、その腕が一瞬で宙を舞った。
(真)「私に親はいない。貴様のような、弱いものにしか強さを誇示できない卑怯な鬼共に殺された。」
(鬼)「なっ…!てめぇ、鬼狩りでも無さそうだな。それにその刀。血か?貴様鬼でありながら人間を守るか。この恥知らずが!」
(真)「貴様に全てを話す義理はない。散れ。」
真城はそういうと鬼の首を切り、そのまま体をバラバラにした後、日が当たりそうな木に各部位を貼り付けた。
(真)「もう大丈夫だ。少年無事か?私は真城。安心してくれ、お前を食おうとは思っていない。体は動くか?」
真城が屈みながら優しい声色で少年に手を差し伸べる。
すると、背後から声がする。
(?)「そこを離れてもらおうか。」
声が聞こえた瞬間、辺りが赤くなり、燃えるように熱くなる。
真城は間一髪気づき、少年を抱えて避けながら外へと出た。
(真)「鬼狩りか。ならばもっと落ち着いて刀を触れ、この子が怪我をしたらどうする。」
抱えた子供を下ろしながら、中から出てきた男に言葉をかける。
(真)「少年、一人で麓まで降りれるか?どうやら君を街まで送ることができなさそうだ。」
少年は恐怖に染まった顔をしていたが、真城が優しく微笑みかけると、恐怖が和らいだのか、少し不安を帯びた顔をしてその場から去る。
(?)「鬼が人を逃がすとはな。なぜそんな事を?媚びを売るためか?」
(真)「鬼が何を言おうと鬼狩りは信じてくれんのだろう?ならば話しても意味がない。」
そういうと、真城は逃げずに戦う姿勢を見せてしまう。が…。
(?)「ふむ。ならば刀をしまおう!」
そう言って目の前の男は刀を鞘に戻した。
呆気に取られていれば、男は大きな声で自己紹介を始めた。
(煉)「鬼殺隊、炎柱!煉獄杏寿郎だ!俺は人を襲わないと言う鬼を知っているため、聞きたいだけだ。まずは君の名を教えてくれないか?」
真城はあまりの奇行に動きを止めたが、血の刃をしまい、その場を去ろうとする。
(真)「鬼狩りに名乗る名などない。戦う意思がないのなら去れ、私は先程の少年の様子を見に行った後、亡くなった少年の親を埋葬する。」
(煉)「むっ!ならば俺も手伝おう!」
(真)「はっ?なぜお前が手伝う必要がある?関係ないだろう。」
(煉)「俺は鬼殺隊の柱だ。たとえこの場に関係がなくとも、できる事があればそれを全うするだけの事。だが、君を完全に信用しているわけではないからな。先程の少年の様子を見に行くのならば同行させてもらう。それに親の埋葬をするならば、一人では大変だろう?」
(真)「…。ふん。本当にそれだけかな…。なら好きにすればいい。ただし、私はお前を信用しないし、問に答えるつもりもない。必要最低限話しかけるな。」
真城はそういうと、麓へと歩き出す。煉獄杏寿郎と名乗るその男はでかい声で返事をした後、後ろをぴったり着いてきた。
その後、無事少年を街へ送り、家へ戻り親を埋葬した後、置き手紙をそこに置いた。
(煉)「それは?」
(真)「まぁ、これくらいはいいか…。少年への置き手紙だ。誰かが言葉でも残せば、少年の闇が少しでも晴れるだろう。読んだ後、少年がこの惨状を乗り越えられるかは知らん。」
(煉)「なぜ、鬼である君が、そんなことをする?人を助けたり、未来をあんじたり」
(真)「先程からその質問ばかりだな。なぜお前に話さなければならない?では逆に質問だ。なぜ私を殺さない?なぜ、そこまで私の事を気に止める?お前は鬼狩りだ。鬼を狩るのが仕事だろう。」
少し圧をかけるように問いかける。
脅しもあったが、単に本当に気になった。
(煉)「先程、人間を襲わないという鬼を知っていると言っただろう。その鬼はある隊員の妹で、何ヶ所も刀を刺された後に多く血を目の前にしても人を食わなかった。そんな鬼が本当にいるのかと思ってな。」
(真)「だから同じ傾向にある私に理由を聞いたのか…。まぁ、私が人を食わないんだ。他にいてもおかしくはないだろう。だが、傾向が同じだったとしても理由が一緒というわけではない。」
真城はそのまま背を向けて歩き出し、その場を去ろうとする。
(真)「ならば、私が話す事はない。貴様の力になる義理も権利もない。知りたいのなら本人に聞け。じゃあな。」
(煉)「待ってくれ!」
そう言って煉獄は追いかけてくる。
(煉)「では、なぜ君がここへ来たのかだけ、教えてはくれないだろうか?」
あまりのしつこさに観念した真城はそれだけは話す事にした。これ以上着いてこられても面倒だと判断した。なので、ここへ来た経緯だけを話した。鬼で出没するようになった噂を聞き、無惨の居場所を聞くために来たのだと
(真)「まぁ、聞く前に怒りで殺してしまったが…。ちっ、また探し直しだ…。」
(煉)「…!無惨の居場所?なぜそんな事を?」
(真)「なぜ、ここへ来たのかだけを教えろと言ったのはお前だろう。これ以上答える気は無い。じゃあな。」
(煉)「ふむ…。ならば提案なのだが…。君も鬼殺隊に来るか?」
(真)「なに?どこへ入るかって?」
(煉)「鬼殺隊にだ。」
驚いて振り向いてしまう。鬼殺隊、それも柱からの誘い。
( こいつ頭でもやったか?
それとも元々おかしいだけか?そもそも、さっきの話の隊員も隊員だ。自分の妹が鬼だというのに、鬼殺隊に連れているのか?どうなっているんだ。)
思考が追いつかない。おかしな話すぎると流そうとしたが、煉獄は話を続ける。それも何故か笑顔で…。
(煉)「話を聞くに、君は無惨の居場所を見つけるため、鬼の情報を得ては、その鬼に遭遇し情報を得ようとしている。その場に居た人間を襲わずに。それならば、ただ途方もなく旅をするのではなく、鬼殺隊に入り、鬼が出た知らせを受け、任務に出た方が君としても少しは楽だと思ってな。それに我々も無惨の行方を追っている。」
(真)「しかし鬼狩りだ。それは違反なのではないのか?」
(煉)「御館様の命により、少年とその妹も無事だ。」
甘すぎやしないか?と言おうとしたが、正直頭を抱えた。それと同時に利害の一致とはこの事だとも思った。確かに、休みもなく、希望も見えず、途方もなく旅をするよりかは楽ではあるが、その言葉をどう信用しろと言うのだ。
真城は何も言えず黙ってしまう。心が揺らぐ。
(煉)「もし、この言葉が信用ならないのであれば、その少年と妹に合わせよう。話はそれからでも構わないだろう?」
(真)「……。わかった。それが嘘ならば私は去る。しかし、なぜそこまでする。」
(煉)「数多の鬼に出会ってきたが、ここまで話が通じる鬼はそう居ない。だからこそ興味が湧いたのだろうな。それに、鬼は疲れ知らずなのだろうが…、君は疲れているように見えた。身体的にではなく、精神的にな。」
体が跳ねる。図星…と言うべきか。
なぜわかったと言わんばかりに目を大きく開いてしまう。
静かに拳を握る。
(真)「疲れてなどいない。疲れていたとしてもそんな事はどうでもいい。私は無惨さえ打ち取れればいいのだから。」
(煉)「……。ならば、交渉成立だな!それでは早速、蝶屋敷に向かおう!もうすぐ日の出だ。夜にしようか?」
(真)「日傘がある。さっさと向かうぞ。」
真城は煉獄の気遣いを受け止めず、歩き出す。
煉獄はそれに呆れもせず、真城を蝶屋敷へと案内した。
以上が一話となります!
長くなってしまいましたが、ご一読ありがとうございます!
次回もお楽しみに!