それは最初、ただの人だった。
「ちょっと止めて」
ベテラン警備員の佐藤さんは俺の隣で指示を出す。この仕事をしてはや3日目。問題にぶち当たってしまった。
「これ、人じゃないかもなぁ」
佐藤さんは腕組みをして物憂げな表情をして答えた。映像を動かしていた梶尾さんも同じ意見だった。
明らかに人の動きじゃない。この黒髪女……エレベーターに吸い込まれるようにゆっくりと前に動いている。
「れ、霊媒師呼びましょう! 霊媒師!!」
「どこで降りたんだこいつ」
佐藤さんがエレベーターの監視映像を見ながら女の同行を探っていた。俺らも固唾を飲んで見守っていると、その女!
あ
コメント
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好き♡(*´ω`*)最高