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もうごちゃごちゃですが、
自坊していただけると
もう、
全部主の癖つめつめ
で書いていきます
静まり返ったホテルの一室。
机の上には簡単な資料と紅茶のカップ、そして誰も口をつけていない水のグラスが置かれている。
🇬🇧「……まったく。あいつら、何考えてやがるんだ。日本までアメリカを庇うなんて」
🇫🇷「ちょっとイギリス、落ち着きな。だけど……確かに、このままではまずいかな。カナダも、アメリカを守ろうとして逆に巻き込まれている感じだし」
🇩🇪「俺たちが知らない間に、状況は進んでいる……それは危険だ。特に日本が加わっているのなら」
プロイセン「だな。あいつ、ただ静かにしてるだけで済ますタイプじゃねぇ。もう“覚悟”決めてるだろ、アメリカに付き合うってよ」
一瞬、誰も言葉を続けられなかった。沈黙が重く垂れ込める。
🇬🇧「……で、どうする?アメリカを引きずり出すのか。それとも……カナダから引き離すのか?」
🇩🇪「力ずくでやれば、確実に拒絶される。今はまだ……信用を繋ぎ止める方が先決だ」
🇫🇷「つまり、どうにかして“話させる”ってことかな?」
🇩🇪「あぁ。ただし無理矢理ではない。……何より、あの二人の“沈黙”が壊れた時、俺たちが支えられるように準備しておくべきだ」
プロイセン「準備、ね……。でもよ、俺たちにできんのか?アイツら、もうギリッギリだぞ」
イギリスは、ぎゅっと拳を握りしめる。
🇬🇧「……あいつは俺の弟だ。俺が……守らなきゃいけねぇんだ。もう二度と、あんな風に泣かせたくねぇ……」
その言葉に、誰も軽い冗談を返さなかった。
フランスでさえも、ただ真剣な眼差しを落としていた。
🇫🇷「……じゃあ、こうしないかい?明日から、俺たちで交代でアメリカの様子を“見張る”。直接問い詰めるんじゃなくて、支えられる隙を探すんだ、」
プロイセン「……だけど、覚悟しとけよ。たぶん、“日本”が一番の壁になるぜ、あいつこうゆう時に限って、一気にわかりづらくなるしな、元から分かりずらいけどな」
その場に沈黙が落ちる。
日本をどう扱うか――それは彼らにとって、最大の難題であり、そして避けられない問題だった。
その頃、日本の部屋では…
パソコンを立ち上げ、畳まれた布団の上に座り、明かりを落としたまま、机に手を置く。
目を閉じると――微かな足音、扉の開閉の音、誰かの囁き声。
それは隣室からではなく、もっと離れた部屋の方から。
🇯🇵「……なるほど。やはり、動いておられますか」
日本は小さく呟き、目を開いた。
彼らが“隠し通せている”と信じていることに気づきながらも、それを表には出さない。
🇯🇵(しかし……アメリカさんとカナダさんは、まだ気づいておられませんね。……ならば、せめて今は、この安らぎを壊すわけにはいきません)
日本は小さく息を吐き、静かに目を閉じる。
外で動いている者たちの焦りと、部屋で眠る二人の静けさ――その狭間に立たされている自分を、改めて感じていた。
🇯🇵「…私が動きましょう、アメリカさんを、カナダさんを今度は私が守る番です。」
そう心に決めた日本であった。
次の日、世界会議では
空気はどこか重苦しい。
昨日決まらなかった議題が、再びテーブルの上に持ち上がっていた。
イギリスとフランスは言葉少なに視線を交わし、ドイツとプロイセンも無言のまま座っている。
当のアメリカは、表情を作ってはいるが、その笑みは疲労でぎこちない。
カナダは沈黙を守りつつも、隣でそっと兄の様子を窺っている。
議論が白熱していく中、アメリカに不意に視線が集まった。
「アメリカ、これはどう思う?」
「お前の意見は?」
その問いかけに、アメリカは一瞬だけ肩を震わせ、答えに詰まった。
その刹那――
🇯🇵「……失礼します」
日本が穏やかに声を発した。
周囲の目を自然に引きつけ、その間にアメリカの負担を軽くするように。
🇯🇵「あの、アメリカさんのご意見も大切ですが……昨日の議論を踏まえますと、まず整理すべきは“前提条件”でしょう」
🇩🇪「……なるほど、確かにな、では__」
🇫🇷「へぇ……まぁ、そうだね」
議論の矛先が再びテーブルの資料へと戻っていく。
アメリカはわずかに肩を落とし、安堵の息をついた。
カナダは気づかれぬように、その姿を横目で見守っている。
――そのさりげない一瞬の介入こそ、日本の“守り”だった。
日本は冷静な顔で議論を続けながらも、内心で思う。
🇯🇵(……昨日も今日も、彼らは疲弊しておられます。ならば、私が遮るのは不自然ではありません。自然の流れに見せかけて……守ることなど、いくらでもできます)
議論は進んでいるものの、どこかぎこちない空気が漂う。
アメリカは表情を作りながらも、声の張りが弱く、時折言葉に詰まる。
カナダは隣で小さな声を添えようとするが、あまり目立たない。
そんな中――
🇮🇹「ヴェ? アメリカ、なんか今日は元気なさそーだけどさ! 大丈夫?気分悪い?」
イタリアが、何気ない調子で問いかけた。
本人に悪気など一切なく、ただ友人を心配する自然な声音。
だが、その瞬間、会議の空気が一瞬止まった。
🇺🇸「……えっ、ぃゃ、HAHAHA!!
俺は別に! 全然大丈夫だぞー! 元気だし!」
慌てて笑みを作るアメリカ。
しかし、その笑みの奥の影を、数人は見逃さない。
🇩🇪「イタリア、すまないがそれ以上は……」
ドイツがわずかに低い声をかける。
🇨🇳「……あいつ、やっぱりなにか……」
中国は小声で言い、目を細め、口に出さずに思考する。
その時、日本が柔らかく言葉を挟んだ。
🇯🇵「イタリアさん、アメリカさんは少しお疲れなだけでしょう。昨日から議論が続いておりますから…」
🇮🇹「ヴェ、そっか! そっかぁ……っごめんね、アメリカ!」
無邪気に笑って肩を叩くイタリア。
アメリカは苦笑を浮かべながら「大丈夫」と繰り返すが、その声はどこか細い。
カナダは心配そうに横目で兄を見つめ、日本はそれを自然に受け止めるように頷いた。
ドイツは資料に視線を落としつつも、ちらりとアメリカを観察している。
フランスとイギリスは無言で、互いに小さな合図を送り合った。
ロシアだけは無表情で、くるくると指先でペンを回しながら、何かを考えているように見えていた
会議が終わった後
ノックの音が響く。
返事を待たずに、イタリアは少しだけドアを開いた。
🇮🇹「アメリカ? 入ってもいい?」
入った瞬間、視界に飛び込んできた光景に、イタリアは目を丸くした。
ベッド脇で肩を震わせ、吐き気に苦しむアメリカ。
その隣で薬を手に、必死に支えるカナダ。
そして、二人の背後から静かに支えるように寄り添う日本。
🇮🇹「な、なにこれ……!」
慌てて声を上げ――
しかし次の瞬間、イタリアの表情からいつもの軽さがふっと消える。
代わりに、静かな確信を帯びた目で三人に近づいた。
🇮🇹「やっぱり、さ、やっぱりそうなんだね。
……ねぇ、アメリカ。なんでこんなことしてるの?ねぇ、アメリカ…俺にお話し、して欲しいな」
その声音は柔らかいのに、逃げ場を与えない。
日本もカナダも一瞬だけ息を呑む。
そして、アメリカの笑みが、ついに崩れた。
🇺🇸「っ、イ、イタリア……これはちがっ、
違くて……俺、俺は
……はは、もうお見通しか…
……俺は……ヒーローだから。みんなの前じゃ、元気でなきゃいけないんだ。
でも、俺は……ずっと迷惑かけてばっかで……。
守るどころか……逆に、壊してる気がして……」
震える声で吐き出すその言葉。
アメリカの拳はシーツを掴み、涙がにじむ。
イタリアは何も言わず、そっと彼のそばに腰を下ろした。
黙っているのに、その瞳は「聞いている」と強く伝えてくる。
日本はその様子を見つめながら、小さく目を伏せる。
🇯🇵「……アメリカさん、カナダさん……、イタリアさんも、私はここにおります」
カナダは兄の背を撫でながら、かすかに微笑んだ。
🇨🇦「……そうだよ。僕は……ずっと、アメリカのそばにいる」
静かな空気の中、四人はただ寄り添い合った。
互いの弱さを見せ合いながら、それでも繋がろうとするように。
アメリカの震える肩に、イタリアがそっと手を置いた。
🇮🇹「大丈夫、大丈夫だよ。……アメリカは、一人じゃないから」
その言葉は、不思議な力を持っていた。
焦燥で張り詰めていた空気がふっと緩み、アメリカは堪えていた涙を零す。
カナダも小さく笑いながら、兄の背を撫でた。
🇨🇦「そうだよ、アメリカ。大丈夫。僕も、ここにいるから」
日本もまた、静かに頷く。
🇯🇵「……私もおります。あなたが倒れぬように」
三人の声が重なり、アメリカの頬を濡らす涙が、少しだけ温かいものへと変わっていく。
――だが、その光景を、誰も知らぬと思っていた。
廊下の奥。
半開きのドアの影から、複数の視線が注がれていた。
🇷🇺「……ほら、言ったとおりだったね?、イタリアくんが、先に動くと思った」
🇩🇪「イタリアが……ここまで、真剣に……
……やはりイタリアは凄いな、真面目に会議には参加して欲しいが、」
🇫🇷「あはは、……アメリカがあそこまで弱った姿を見せるなんてね」
🇬🇧「……クソッ。あいつ、ずっと隠して……!」
プロイセン「はは、イタリアちゃん強いなぁ」
🇨🇳「……、アメリカが……こんな風になるなんてな、予想外だったあるよ……」
彼らは声を潜めながらも、息を呑むように中を見守っていた。
その姿はまるで、知らされぬはずの秘密を覗き込んでしまった傍観者のようだった。
イタリアの「大丈夫だよ」という声にすがりながら、アメリカは震えていた。
その背をカナダが抱き、日本が静かに寄り添う。
涙を堪えていた彼の頬を、温かいものが伝って落ちる。
そのとき――ギィ、と扉が大きく開いた。
「「……!」」
驚いて顔を上げると、そこにはドイツ、フランス、イギリス、プロイセン、ロシア、中国が立っていた。
彼らの表情には驚きも、戸惑いも、そして痛みも滲んでいる。
一瞬の沈黙のあと、ロシアが先に足を踏み入れた。
🇷🇺「……もう、隠す必要はないよ。見てしまったから」
その言葉に続くように、皆が中へと入ってくる。
ドイツは深く息を吐き、フランスは優しく微笑み、イギリスは悔しさに歪んだ顔で、それでも歩み寄った。
そして――誰からともなく、アメリカを、カナダを、日本を、イタリアを、ぎゅっと抱きしめた。
四人は堰を切ったように泣き出した。
泣きながら本音を吐き出す彼らを、抱きしめる腕はさらに強くなる。
🇬🇧「馬鹿野郎……お前が苦しんでるのに、俺は……」
🇫🇷「言ってくれればよかったのに、モナミ……でも、今ならもう間に合う」
🇩🇪「……誰も、一人にはしない」
プロイセン「ったく……心配かけやがって! でももう……一人で泣くな!」
🇨🇳「そうアルよ……お前は、一人じゃないアル」
🇷🇺「……大丈夫。みんな、ここにいるから」
涙と嗚咽が重なり、誰かの体温に支えられながら、アメリカも、カナダも、日本も、――ようやく、心の底から泣ききることができた。
そしてその涙は、確かに彼らを繋ぐ温かさとなって、会議室ではなく、ひとつの部屋で「仲間」として響き合っていた。
――その夜、ようやく隠された痛みが解き放たれた。
______END