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MIの部屋
855
ある日ーー
○○「おい、須藤。また向井が見てんぞ」
○○「相手してやれよ。一応彼氏だろ?」
🤎「はぁー……」
面倒くさそうにため息。
○○「なんでOKしたんだよ」
🤎「パシリに使えそうかなーって」
軽い声。
○○「お前最低だな」
笑い声。
そのまま、須藤は立ち上がる。
俺は向井の方に向かう。
🤎「一緒に帰るか?」
🧡「え!?いいの!?」
一瞬で顔が明るくなる。
🧡「手つないでいい?!」
🤎「無理」
🧡「……はい」
しょぼん。
それでも隣を歩く。
特別な話もない。
🧡「ねえ、デート行こうよ」
🧡「プランは全部考えるからさ」
🤎「んー……」
🤎「考えとくわ」
🧡「うん……」
“考えとく”は、ほぼ断りだと知ってる。
それでも、期待してしまう。
隣なのに、遠い。
友達より、遠い。
──────────────
翌日───────
今日は修学旅行のグループ決め。
🧡(絶対、須藤くんと同じグループになるぞ)
名前を書き込む。
みんなが自然と須藤の周りに集まる。
一人多い。
抜けなければいけない。
🧡(なにがなんでも、このままで……)
祈るように立っていると。
🤎「おい、向井」
冷たい声。
🤎「お前抜けて、あっち行け」
🧡「……え?」
🤎「俺のダチ、優先」
一瞬、教室の音が消えた気がした。
🧡(は、?)
🧡(なぁ俺たち、恋人だよな)
🧡「……」
何も言えない。
言ったら、
《別れるか?》
が浮かぶから。
向井は静かにその輪から外れる。
🤍「康二!こっち!こっち!」
ラウールの声。
その明るさに救われる。
🧡「…ラウ」
🤍「……」
向井は少し赤い目をしていた。
🤍(須藤ってやつは……)
🤍(康二をなんだと思ってる)
拳をぎゅっと握る。
🤍(恋は盲目)
🤍(早く目を覚ませ、康二)
ただ、そっと椅子を引いてやる。
🤍「俺は康二と一緒でうれしいよ」
🧡「うん……」
小さく笑う向井。
🤍(そんな悲しい顔すんなよ)
──────────────
放課後。
教室に残る夕方の光。
🧡「須藤くん、少し話せる?」
🤎「はぁ?今日は友達と約束あんだけど」
🧡「すぐ終わるから」
面倒くさそうに近づいてくる。
🤎「はぁーー……で?なんだよ」
🧡「俺達……付き合ってるんだよね?」
一瞬、空気が止まる。
🤎「……だから?」
🧡「修学旅行、一緒のグループなりたかった」
声が少し震える。
🤎「わがまま言うなよ」
冷たい声。
🤎「めんどいな」
🧡「……」
🤎「俺、そういうの無理」
🧡「でも……」
🤎「別れるか?」
また、その言葉。
胸が締めつけられる。
🧡「……ごめん」
結局俺は、謝ってしまう。
言いたかったのは、謝罪じゃないのに。
🤎「じゃあな」
背中を向ける須藤。
🧡(もう、だめかもな……)
校舎の影で、そっと涙が落ちた。
その夜────────
スマホは静かなまま。
須藤くんからの通知は一つも来なかった。
──────────────
修学旅行当日。
京都。
須藤は他のグループで楽しそうに笑っている。
🧡(俺の知らない顔ばっかり…)
向井はため息をつく。
🤍「ちょっとちょっと!」
🤍「せっかくなんだから、楽しまないと損だよ?」
🧡「うん……ありがと」
🤍「今日はあいつのこと忘れなさい」
🧡「努力する……」
ラウが急に手を握ってきた。
🧡「ラウ?」
🤍「早く行こー!」
そのまま引っ張る。
須藤の視線が一瞬、こちらを向いたのを、
ラウールは見逃さない。
──────────────
茶屋。
🧡「抹茶苦い……」
🤍「あはは!変な顔ー!」
🤍「ほら、アイス食べて」
スプーンを差し出す。
🧡「うまい!」
その笑顔。
🤍(よかった……戻った)
🧡「ラウ」
🤍「ん?」
🧡「ありがと、いつも」
🧡「心配してくれて」
🤍「大事な心の友だからね」
冗談っぽく言う。
🧡「ラウも食べてみ!これ!」
同じスプーン。
ラウールの手が一瞬止まる。
🤍「……ん」
口に入れる。
距離が近い。
心臓がうるさい。
🤍(これでドキドキしてるなんて)
🤍(今は言えない)
でも────────
🤍(いつかは言う)
🧡「どう?」
🤍「甘い」
少しだけ意味深に。
🧡「何その目w」
🤍「ふふ」
その様子を、少し離れた場所から見ている影。
🤎(……何あれ)
須藤は初めて、胸の奥がざわついた。
——つづく。
コメント
5件
その修学旅行ご一緒してもよろしいでしょうか(?) 可愛い🧡とかっこいい🤍 ( ^ ^ ω )いやぁぁぁぁ
なんかこっちがウズウズしちゃいます、笑 🧡は罪な男だ!😇
あ、読み終わりました……もう、胸がぎゅっとなりましたね。向井くんの「謝りたかったわけじゃないのに謝っちゃう」ところ、すごく切なかったです。好きな人の前で縮こまっちゃう感じ、リアルでした。須藤が最後に見せたざわつき、あれからどうなるんだろう。ラウくんの優しさに救われる気持ち、すごくわかります。続きが気になります!