テラーノベル
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そのひとがこの花屋に通い始めたのはちょうど俺が店の手伝いを始めた頃だった。
あの頃は慣れない仕入れの手伝いにガーデンの世話など、放課後時々顔を出すだけでもやっとだった。
接客はもとより母さんがやっていたが、持病のこともあって接客も最近は俺がやっている。
__俺が花屋をやったって客は増えねぇだろ。母さんなら誰か、もっといい後継を選べばいいのに。
何度そう思ったことか。それでも「瓜李ならできるわよ」と昔より弱弱しくなった顔つきで
にかっと強気な笑みを浮かべた母を前にして頷く以外の選択はなかった。
母がせめてもの虚勢を張ってまだ大丈夫と笑っていることに気づいてしまったから。
後悔はない。だけど、この選択が正しかったのか、今でもわからない。
そんなことを考えながら仕入れた花をショーケースに並べている時だった。
「花が、好きなんですね。」
「、、は?」
爽やかな笑顔を浮かべて話しかけてきたそのひとはかなりの美形だった。
灰の髪が反射で輝き、少し緑がかった淡い色の瞳がを細めて、にこりと笑う姿は皮肉にも王子のようだった。
というか俺が花が好きってなんで__。
「素人目から見てもあなたの花を触る手付きは特別優しいんです。」
くしゃりと顔をほころばせて笑ったそのひとに不覚にもどきりと胸がはねた。
「、、、あ、ありがとう、ござい、ます」
やっとのところで口を突いて出た言葉は物凄くカタコトだった。
「思ったことを言っただけですよ。」
再び俺とお客さんの間に沈黙が訪れる。気まずくてとりあえず話しかけた。
「あ、のっ、お探しのお花とかってありまふ、んん”っありますか、、?」
思いっきり嚙んだ。これだから接客は苦手だ。
大丈夫とでもいうようにお客さんはまた笑みを浮かべて言った。
「はい、疲れを癒す花、ならなんでも。友人にプレゼントしたくて。」
疲れを癒す効果が強い花はたくさんある。というかほぼ全部だ。だけど、その中で友人さんにぴったりなものを選ぶには__。
「なるほど。ではっ、そのひとにぴったりな花を選ぶためにも友人さんのこと、もっと、教えてください!」
お客さんは目を丸くして俺をじっと見つめた。
その視線から逃げるように俯いた。自信がない俺を出さないようにこれでもかというほど固く閉じて。
hrur感出てきた、、かな?
NeXT♡500
コメント
2件
最高すぎません⁉️🤯 語彙力が消滅してるので上手く言えないんですけど...とにかくすごすぎて🤕💓 本当はもっと押したかったんですが500が限界でした‼️