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__花は贈る相手のことを大切に大切にそのひとのことを想いながら選ぶものなのよ!
俺がまだ小さな頃、母はしゃがみこんで俺と目線を合わせて言った。悪戯っ子のような笑顔で口元に人差し指を当てて。
「これはねお客さんが必ず笑顔になる最強のおまじないなのよ!」
さいきょう、それは小さな俺が一番大好きな言葉だった。強くてカッコいい、他のなにより輝く、てっぺんは俺の憧れだった。
「さいきょーのっ!?、お母さん使えるの!?」
「うん!誰でも練習すれば使えるのよ!いつか瓜李も使えるようになるわ」
そう言ってお母さんに俺の頭をわしゃわしゃとされるがままに撫でられる。ん、と小さく唸りまた目をキラキラと輝かせる。
「ほんと?!」
「ほんとほんとw」
にししと笑うお母さんは今まで会った誰よりも輝いて見えた。
でも、いつからかそんな”憧れ”は消えて、自信はどこかにいってしまって。
でも、思い出したから。あの頃の無邪気な俺を。今なら、俺も”さいきょー”のおまじないが使えるかもしれない。
いや、かもしれないじゃなくて、使うんだ。
お母さんに教えてもらったこのおまじないを今度は俺がこのお客さんにかける。
「そのひとのことを知れば知るほどそのひとにぴったりな花がわかるんです。これは”さいきょー”のおまじない、なんです!」
言えた。はっきりと言うのが怖くて下を向いていた視線を半ば無理矢理上げる。
お客さんは微笑んでいた。くすっと笑って「そうですね、まずはこの話__」とノリノリで”友人さん”のことを話し始めた。
おまじないのひとかけは十分効果を発揮したみたいだ。
おまじないにかかった今の俺とお客さんならきっと、そのひとがいちばん喜ぶ、ぴったりな花を見つけられるだろう。
顔も知らない誰かの笑顔がふっと浮かんだ。
自分の行動が誰かを笑顔にさせる、それを間近で見れるって実はすごくすごいことで。
俺はお客さんの花を見つめて幸せそうな笑顔が好きなんだと。
にこにこと話すこのひとを見ていると自然とそう思えた。
お母さん大好きurりんが書きたくてこうなりました。
NeXT♡500