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ちょっと笑いながら悠人の手を引っ張って、メリーゴーランドの乗り場に走った。こんな新たな一面を知って、さらに私は悠人を好きになった。完璧じゃないところが、人間味もあって可愛くてキュンキュンする。



一緒に乗り物に乗ったり、ご飯を食べたり、ベンチに座って話したり……

こんなに長い時間を2人で過ごしたのは久しぶりだ。お天気も良くて、本当に楽しい時間をプレゼントしてもらってる。



楽しい時間はあっという間。

気づけばもう夜になっていた。



「穂乃果のおかげで、久しぶりにゆっくり過ごせた。そろそろ……閉園だな。その前に観覧車に乗ろう」



「高いところがダメだから乗らないって」



「ダメなのは本当。でも……最後に穂乃果と乗りたいんだ」



スっと、優しく手を握ってくれる悠人。

私達は手を繋いだまま観覧車のある方に向かった。移動の時間さえも愛おしい。ところどころに飾られたイルミネーションが、キラキラ輝いてとても綺麗だ。



私達は朝からずっと一緒にいるけど、今日1日、悠人は他のお客さん達からずっと注目の的だった。こんな風に2人で歩いてると、必ず女性はみんな悠人を見る。あまりのイケメンぶりに、2度見する人もたくさんいた。女性だけじゃなく、男性だってチラッと見て、きっと悠人は、同性からも憧れられるような容姿なんだろう。



細身の長身、綺麗な顔立ち、肌も相変わらずきめ細かくてサラッとしてる。

少し長めの前髪が、すごく色っぽくて……

オシャレすぎて、隣にいる私はいつも浮いた存在だ。



だけど、もうあんまり気にしない。

悠人が、こんな私でも可愛いって言ってくれたから。まだまだ自分に自信なんてないけど、その言葉を信じるって決めたから。

悠人が私を認めてくれてるなら、周りがどう思っても関係ないって、ようやく……ほんの少しだけ思えるようになった。



それにしても、悠人のオーラは半端ない。立っていれば、そこはまるでオシャレな雑誌の1ページのよう。ジーンズ姿が良く似合う、足の長いモデルさんみたい。そこだけが異世界のように感じる。



悠人が1人でベンチに座っている時には、数人の女の子達が遠くから隠し撮りしてた。確かに、思わず写真を撮りたくなる気持ちはわかる。そこら辺にはいないレベルの顔とスタイルだから。



みんなの視線を独り占めするほどカッコ良い悠人と一緒に居られるんだから、間違いなく私は幸せ者なんだ。

だからこそ、この2人だけの時間をちゃんと噛み締めたいと思った。



「観覧車、空いてて良かった。並ばずにすぐに乗れるなんて嬉しい」



「あ、ああ」



私達は、観覧車に乗り込んだ。

少しずつ、少しずつ、高く上がっていく……

結構な高さのある大きな観覧車。

悠人は、ちょっと落ち着かない様子だった。

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