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ヒック・・「私があなたの事を忘れてやっと前に進もうとしたら突然現れて・・・」
「リーファン・・・リーファン、悪かった、本当に申し訳なかった・・・なんでもするよ、償わせてくれ」
「私は百合よ」
「百合・・・愛してるんだ・・・俺と一緒になってくれ」
「私は和樹が好きよ・・・」
「そんなの忘れさせるよ・・・」
オフショルダーから覗いている百合の肩をじっと見つめた、百合の背中の下の方には、「ヴィーナスのえくぼ」がある、思いっきり欲望の証を挿入したあの妖精の滝での夜・・・そのくぼみに両指をめり込ませた記憶が蘇る
隆二がそっと百合の顎をつかんで自分に向かせた、二人の唇が重なった、百合は抵抗しなかった、二人のあいだの壁が崩れた隆二は自分を受け入れてくれたことが嬉しかった
ああ・・・百合・・・
何より嬉しかった、もう二度と彼女を泣かせない、隆二は我慢しきれなくなって百合の体を抱き上げ、ソファーに押したおした
艶やかな黒髪がクリーム色のソファーの上に広がった、彼は両手で百合の顔をはさみ、無我夢中で口づけをしたが、百合が片手で隆二の唇を押え、それを遮った
「ここじゃだめ・・・誰が来るか分からないわ・・・」
「俺の部屋にきて・・・頼むからベッドに運ぶまでに気が変わらないでくれよ、じゃないと本当に狂ってしまうよ」
隆二がさっと百合を立たせて、彼女の手を取って別棟の自分の寝室へと連れて行った、そこは和樹の部屋よりも豪華だった、そして二人は無言で互いの衣服を脱がせ始めた
百合は隆二の天蓋付きのキングサイズのベッドの中で激しく燃えた、最後に二人で果てた時はぎゅっと隆二の首にしがみついて来てくれた、隆二はそれがどんなに嬉しかったか、心が切なくなった
「ああ・・・ずっと寂しかったわ隆二・・・日本へ行っちゃっ時は死にそうに辛かったわ・・・あなたの姿が見えないなんて我慢できなかった・・・だってあなたは私のものなんですもの」
たしかに隆二は百合のものだった、出会った時からそうだった、隆二は思った、二人は永遠に見えない糸でしっかりと結ばれている、もう離れられないと・・・
肌が触れ合い、過去が蘇った、もう一度二人は初めての時と同じように、やさしく・・・そして激しく、愛し合った
―実際・・・これは新たな始まりなのかもしれない、今度こそ彼女を傷つけたりしないぞ―
やがて二人はぐったりと疲れて、心から満ち足りて、疲れ切って身を横たえた