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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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静寂を破る音が、タクトのスマートフォンから鳴り響いた。画面には、見慣れたアイコンが表示されている。それは、マデスからの通知だ。彼は、タクトの最高神としての存在を誇示し、同時に彼に情報をもたらす。

「おい、タクト! 急げ、急げ!」画面越しのマデスの声は焦りを隠せなかった。

タクトは携帯を手に取り、眉をひそめた。「どうしたんだ? そんなに慌てて。」

「リリス襲うてくる! しかも、悪魔の偶蹄目一派を引き連れてな!」マデスの声は震え、背景からは騒がしい音が聞こえてくる。

「リリス? あの高級悪魔の女?」タクトは瞬時に状況を把握し、心が高鳴った。「どこにいるんだ?」

「ここは…そうや、千本桜の近くの神社や。わしが守ろうとしたけど、あいつらが予想以上に強い。」マデスの言葉には、痛々しさが滲んでいた。「もう限界や。助けなはれ…!」

タクトは一瞬躊躇ったが、すぐに心を決めた。「わかった、すぐに行く。待ってろ、マデス!」

タクトはスマートフォンをポケットにしまい、急いで道場を飛び出した。心の中でマデスを助けなければならないという強い責任感が芽生えていた。彼の存在は、タクトにとっても特別なものだ。

道中、タクトの頭の中にはリリスの姿が浮かんでいた。彼女は美しいが、その背後には暗い野望が隠されている。偶蹄目一派を引き連れた彼女が何を企んでいるのか、考えただけでぞっとした。

神社の境内には、静けさと桜の花びらが舞い散る中、マデスの姿が見えた。彼は傷だらけで、無防備な状態だった。周囲には、悪魔の偶蹄目一派の姿がちらほらと見え、その中にはリリスの姿もあった。

「やっと来たな、タクト。」マデスは力を振り絞りながらタクトを呼び寄せた。「そやけど、もう手遅れかもしれん…。」

「馬鹿なこと言うな! 俺がいる限り、お前は死なせない!」タクトはすぐにマデスの元に駆け寄り、彼を支えようとした。

「リリス、どうしてこんなことを…。」タクトは彼女の方を向いた。彼女は微笑みながら、彼に向かって歩いてくる。

「タクト、久しぶりね。あなたの成長を見に来たの。」リリスの言葉には冷たい響きがあった。「でも、あなたには失望したわ。私が求めるのは、もっと力強い存在なの。」

「俺が力を持っているかどうかは、お前が決めることじゃない。」タクトは毅然とした態度で答えた。

リリスは彼に近づき、挑発するように目を細めた。「では、私の仲間たちと一緒に、あなたの力を試させてもらうわ。」

その瞬間、偶蹄目一派の悪魔たちが一斉にタクトに襲いかかった。タクトは素早く刀を抜き、彼らの攻撃をかわした。

「マデス、ここは俺が引き受ける! お前は後ろで休んでいろ!」タクトは叫びながら、悪魔たちに向かって刀を振り下ろした。

「タクト、無理はしな!」マデスは懸命にタクトを心配したが、体は動かない。「あんたには、リリスを相手にするには力足らん…!」

「お前の心配なんていらない! 俺は悪魔退治のためにここに来たんだから!」タクトは一撃、一撃と敵をなぎ倒しながら、リリスに近づいていった。

リリスはその光景を見て、少し笑みを浮かべた。「さすが、あなた。少しは成長したみたいね。でも、甘いわ。」

リリスは手を振り、周囲の偶蹄目一派の悪魔たちが一斉に攻撃してくる。その数は圧倒的だったが、タクトは一歩も引かなかった。

「くそ、どうなってやがる!」タクトは歯を食いしばり、全力で刀を振るった。悪魔たちは次々と倒れていくが、彼の体力も徐々に削られていた。

「もう終わりか?」リリスの声は冷たく響いた。「私の本気を見せてあげるわ。」

その言葉と共に、リリスは魔力を高め、周囲の空気が変わった。桜の花びらが彼女の周りで渦を巻き、まるで彼女自身がその美しい桜の精霊のように見えた。

「タクト、逃げろ!」マデスが叫んだが、タクトは一歩も後退しなかった。

「逃げるわけにはいかない!」タクトは刹那の判断で、リリスに向かって突進した。「今こそ、お前を止める!」

その瞬間、リリスの魔力が爆発し、タクトは吹き飛ばされた。彼の身体は神社の石柱に激しくぶつかり、痛みが全身を走った。

「タクト!」マデスが心配そうに叫ぶ。

「まだ、負けてない…」タクトはゆっくりと立ち上がり、刀を持ち直した。「お前を倒す、リリス!」

再びリリスとの対峙が始まる。タクトは彼女の圧倒的な力に屈せず、再び立ち向かう決意を固めていた。

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