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【前回のあらすじ】
心霊写真のような投稿がバズり、焦って削除してしまった私は、特定班を名乗りつつも手がかりを失う。コメントも消え、打つ手を考える中で新たな方法を思いつく。
ーー
「そうだ……引用コメントだ!」
閃いた瞬間、私はスマホをぎゅっと握りしめた。
このSNSアプリには、コメントの仕方が二種類ある。
ひとつは、投稿の下に連なる“通常のコメント”。いわゆるリプライと呼ばれる、一般的なやりとりの形だ。
そしてもうひとつが——『引用コメント』。
これは特定の投稿に直接コメントを残すのではなく、自分の投稿として“引用”しながらコメントを添えるという、少し遠回しな形式だ。
たとえばフォロワーの多いユーザーなら、「見て見て!こんな面白い投稿あったよ!」なんて調子で引用する。表向きは明るく見えても、どこか他人事のような距離感を保つやり方。
……だが、日本人というのは本当に器用な生き物だと思う。
その“遠回し”を、嫌味や皮肉に変える才能を持っている。
引用コメントを装いながら、実際は“馬鹿にしている”ような言葉を投げつける。しかも、そのコメントはちゃんと投稿者本人の通知に届くのだ。
——わざと見せつけるように。
——わざと刺さるように。
まぁこれは私のド偏見だ。
忘れてもらっても構わない。
そんな引用コメントには、通常のコメントにはない“ある性能”が備わっている。
それは——。
続く