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酒屋に支払いを済ませると
満足した酒屋は 踵を返して
配達用のバイクの煙をあげて行ってしまいました
キラリは部屋の隅で今までのやり取りなど
まったく気づかずに
泥酔して寝ている父を長屋に残し
重苦しい気持ちを抱えて学校に向かいました
空を見上げると雨が降りそうだったので
傘を持ってきて正解だと思いました
学校に向かう細道で
数メートル先に陽子を見つけました
陽子をみた途端
さっきまでの暗い気持ちがどこかに行きました
いつでも陽子はキラリの太陽のような存在で
自然と笑顔が出てきます
足早に陽子の所まで駆け寄ると
陽子は誰かと一緒にいました
と・・・・
いうより
陽子は数人の上級生に囲まれていました
「陽子ちゃん! 」
キラリが大声で陽子を呼ぶと
陽子がキラリの存在に気づきました
「キラリちゃん! 」
陽子はキラリをみつけるなり
足早に駆け寄り
キラリの後ろに隠れました
「・・・・お金・・・・・貸してって・・・
言われてるの・・・・ 」
キラリのセーラー服の袖をつかむ
陽子の手は小刻みに震えていました
その震えからキラリはすべてを察知しました
「・・・・貸したの? 」
うつむいた陽子の頭が激しく
左右に降っています
「でも 貸さないと通してくれへんって・・・ 」
もう陽子の声は泣き声に変わり
小さくかき消されるようでした